熊谷尚也は栃木ブレックスで4シーズンを過ごし、Bリーグ初年度には貴重なベンチプレーヤーとして優勝に貢献した。さらなる成長を求めて移籍した大阪エヴェッサではプレータイムや平均得点が伸び、主力の地位を確固たるものとした。その熊谷は今オフ、川崎ブレイブサンダースへの移籍を決意。移籍会見を終えた熊谷に、移籍に至るまでの心境を語ってもらった。
大阪を勝たせられず「結果の面ではやり残した気持ち」
──まずは、大阪での話を聞かせてください。日本人選手の中でチームハイとなるプレータイムや得点を記録し、名実ともにエースでした。そこから離れる決心はすぐにつきましたか?
大阪では2シーズン、主力としてプレーさせていただいてたんですけど、主力だったから出たくないという気持ちはなかったです。それよりもまずは優勝したいという気持ちがあって、その時に川崎からお話をいただきました。もちろん大阪に残ることも考えましたが、川崎で優勝したいという気持ちが勝りました。
──大阪でのご自身の結果についてはどうでしょう? やりきった感があったのか、もう少しできたはずという悔いが残ったのか?
大阪に行く時もすごく期待をしていただいていましたが、2シーズンを通して、全然勝ち星を挙げられませんでした。期待に応えられず、結果の面ではやり残したという気持ちはあります。
2シーズン勝てていなかったのが現状なので、やはり勝ちたい気持ちが一番にあります。その中でいろいろ考えた時に、川崎でプレーをするという決断に至りました。
195cmの体躯を武器に「よりサイズアップできる」
──では、川崎での話を聞かせてください。大阪ではプレータイムが確約されている状況でしたが、川崎ではプレータイムの保証であったり先発起用などの話はありましたか?
そういう話は一切なかったです。スタートはチームメートと競争し合って勝ち取るものだと思っています。
──長谷川技選手が不動の先発だったポジションにどんな変化をもたらせるでしょうか?
攻撃面もそうですけどディフェンス面のところでも、よりサイズアップできると思います。チームの強みとして使っていただけるように頑張りたいです。特にオフェンス面ではインサイドでもアドバンテージを取れると思うので、中に切り込んでいってのフィニッシュとか、積極的に攻めていきたいです。
対戦する選手のほとんどが僕よりサイズの低い選手になると思うので、ディフェンス面では横の動きというかスピードに関しては少し不安があります。でも、間合いやタイミングを使って、うまく守れるようにしたいと思っています。
──穂坂健祐アシスタントコーチの就任も決まりましたが、大阪で一緒にやった経験はアドバンテージになるかもしれないですね。
めちゃめちゃ心強いです(笑)。新ヘッドコーチの佐藤(賢次)さんもおっしゃっていたんですけど、すごく情熱のある方で、歳も近いのですごくコミュニケーションも取りやすいです。1シーズンですけど穂坂ヘッドコーチの下で1年間プレーをしたので、やりやすいですし、うれしいです。
──あらためて、川崎での抱負をお願いします。
設備も整っていて、バスケットに集中できる環境があり、ここでプレーできるのはすごく幸せなことだと感じています。川崎にはたくさんの日本代表選手がいるので、その中でしっかりと揉まれて自分をステップアップさせていき、優勝をつかみ取りたいです。
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