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「歴史を作ることが簡単だとしたら、なぜ苦しまなければいけないと思う?」

現役を引退したコービー・ブライアントが、その才能と姿勢を高く評価しているウォリアーズのドレイモンド・グリーンにメールを送ったのは、ウォリアーズがサンダーとの西カンファレンス決勝第4戦に敗れた直後だった。

94-118でウォリアーズが敗れた第4戦後、グリーンがコービーから届いたばかりのメールについて語った動画が、『Bleacher Report』の動画サイト『Uninterrupted』で公開されている。

グリーンは、「今は、フラストレーションが溜まっている。これまで自分がチームのためにやってきたことを、ここ2試合でやれていないから」と語った。「高いレベルのエネルギーなしでは勝てない。それこそ、自分がチームにもたらしているもの。もっと良いリーダーにならないと。酷すぎた」

グリーンは、サンダーとの第3戦で6得点4リバウンド3アシストと苦しんだ。続く第4戦では 11リバウンドこそ挙げたが、フィールドゴール7本中1本の6得点に抑えられ、中心選手としての役割を果たせなかった。

「さっきコービーからメールがきたんだ。『もし歴史を作ることが簡単だとしたら、なぜ苦しまなければいけないと思う?』という内容だったよ。彼が100%正しい」

そして、5月26日に行なわれた運命の第5戦、グリーンは11得点13リバウンド4ブロックと奮起し、チームは120-111で勝利。シリーズ敗退を逃れ、2年連続ファイナル進出に向けて望みを繋いだ。

困難を乗り越え、歴史を作るのは容易なことではない。しかしながら、困難を乗り越えられなければ、誰も到達したことがない場所からの景色を見ることはできない。

そのことを誰よりも熟知しているコービーだからこそ、あえて激励ではなく、考えさせるようなメールをグリーンに送ったのかもしれない。