写真=Getty Images

高額年俸がチームの財政を圧迫するなどのマイナスを憂慮

NBAドラフトロッタリーの結果、東カンファレンス1位通過のセルティックスが、NBAドラフト2017での全体1位指名権を獲得した。これによりセルティックスが、1位指名で将来のスター候補を獲得するのではなく、1位指名権と交換で他チームからスター選手を獲得して、即効性のある補強に出ると見られているのだが、チームオーナーのウィック・グラウスベックの考えは異なるようだ。『CSN New England』がグラウスベックの意見を伝えている。

グラウスベックの考え方は、こうだ。

仮にスター選手を獲得できたとしても、セルティックスから1位指名権だけでなく、主力級の選手を数人放出しなければならなくなる。さらに、獲得したスター選手はキャリア全盛期かその前後で、マックス契約を結ばなくてはならない可能性が高い。それによりチームの財政状況が圧迫され、結果的に多方面に影響が出てしまうだろう、というもの。

グラウスベックは言う。

「全体1位で優秀な選手を指名できれば、その選手を育て、将来はその選手を中心にチームを作ることができる。最終的にはマックス契約を結ぶことになるが、数年先の話。指名権を行使するのと、指名権を使ってトレードを成立させるのとでは、全くの別物なんだ」

ワシントン大のマーケル・フルツ、UCLAのロンゾ・ボールを筆頭に、今年のドラフトは大豊作と言われている。今年のドラフトにエントリーしている選手からすれば、すでに出来上がっているチームでは大事な1年目の出場時間が限られてしまうため、セルティックスからの指名はリスクが大きいと考えてしまうかもしれない。だが、チームのマネージメント側からすれば、みすみす有望な選手を指名する機会を逃すのは愚の骨頂。しかも、チームオプションを含めれば最大4年間は高額な契約を結ぶ必要がないため、『財布に優しい』手法でもある。

もちろん、グラウスベックも驚くようなオファーがあれば考えも変わるかもしれない。ただ、もしオーナーの方針が現場の考えと一致するのなら、東カンファレンス1位のチームが1位指名権を行使する、珍しい瞬間が見られるかもしれない。