
「35歳だけどまだやれる、これからそれを見せていく」
ドリュー・ホリデーはトレイルブレイザーズの一員となった。ジェイソン・テイタムがアキレス腱断裂で長期離脱となり、エース不在で優勝を狙えない状況を受け、セルティックスはサラリー削減に動き、ホリデーを放出した。
ホリデーは2年前のオフに一度、バックスからブレイザーズにトレードされている。ブレイザーズの指揮官、チャウンシー・ビラップスは、当時33歳のホリデーがキャリアの全盛期を再建チームで費やさないように、セルティックスへと再トレードした。かくしてホリデーは自身2度目のNBA優勝を勝ち取り、今回は実際にブレイザーズに加入することとなった。
「セルティックスが新たな経営陣を迎えたこと、サラリーキャップの状況や資金面を見れば、変化があることは分かっていた。トレードを知った時も驚かなかったし、チャウンシーとジョー(クローニンGM)とは関係を築いていたから喜んだよ。2年前、僕を優勝争いのできるチームへ送り出してくれた彼らが、再び僕を獲得してくれた。これは巡り合わせで、あるべき場所に戻って来たと感じている」
ブレイザーズ加入が決まったのはオフ序盤の6月。それから彼は、これまでのキャリアで常にそうしてきたように、チームのために自分に何ができるのかを考え、リーダーシップを発揮してきた。自身とのトレードでアンファニー・サイモンズが放出となった今、ブレイザーズで最も期待されるのが3年目のスクート・ヘンダーソンだ。チーム始動を前に、ワークアウト中にハムストリングを痛めて戦線離脱となったが、ホリデーはオフを通してヘンダーソンと一緒に練習を行っていた。
「スクートはすごいヤツだよ」とホリデーは言う。「バスケに取り組む姿勢が素晴らしい。ずっと練習場にいる。僕自身が同じタイプだけど、僕はちょっと歳を取ったから(笑)。練習があると聞けば必ず参加し、朝5時からトレーニングを始める。新しいスキルを学ぼうと一生懸命だし、一緒に練習している僕に教えを乞う。年齢は離れているけど、彼とこうして親密になれたのは良かった」
ブレイザーズはデイミアン・リラードの時代になって8シーズン連続でプレーオフに進出し、2018-19シーズンにはカンファレンスファイナルへと駒を進めた。しかし、ここ4年はプレーオフから遠ざかり、黄金期のウォリアーズを苦しめた強豪の姿は遠い過去のものとなっている。
それでもホリデーは、今のチームの可能性を信じている。「運動能力とディフェンスの意識はすでにかなり高いと見ている。そこに僕は一貫性をもたらすつもりだ。西カンファレンスで上位に行くのは本当に大変だけど、僕は勝つことを期待している。当然、長いシーズンには勝てずに士気が下がる時期もあるだろうけど、そういう時こそ前向きに励まし合って勝てるチームになりたい」
ブレイザーズ加入が2年遅れたことで、33歳だった彼は35歳になった。一昨シーズンは優勝に貢献したが、昨シーズンは得点もリバウンドもアシストも、3ポイントシュート成功率も落としている。『ピークを過ぎた』と見られてもおかしくないが、彼はこう反論する。
「ここ数年、僕はチームが勝つために必要とされた役割に徹してきた。僕はまだディフェンスができる。まだ得点を取ることもできる。それだけじゃなく、このチームに勝利の文化を築くことができると思っている。『35歳だけどまだやれる』と僕は思っているし、これからそれを実際に見せていくつもりだ」