
アウトサイド型の選手を補強し課題を改善
多くのクラブがうらやむような戦力を揃え、優勝候補の最右翼と見られた昨シーズンのアルバルク東京。しかし司令塔のテーブス海やセンターのアルトゥーラス・グダイティスというチームの柱の戦線離脱によりプランが乱れ、12月末から年明けには悪夢の5連敗も経験した。天皇杯決勝の琉球ゴールデンキングス戦、チャンピオンシップセミファイナルの千葉ジェッツ戦がいずれもブローアウトの内容だったことも踏まえ、チームに関わるそれぞれが自らのあり方を考えたオフシーズンになったことだろう。
『TOYOTA ARENA TOKYO』開業というクラブ史に深く刻まれる出来事とともにシーズンを迎えるにあたり、フロントはチームのベースは残しつつさらなる大型補強を敢行。ヨーロッパで複数の優勝経験を持ち、アウトサイドのオフェンス力があるブランドン・デイヴィスとマーカス・フォスターを獲得することで、昨シーズンの課題に挙がった3ポイントシュート成功率や、戦術の画一傾向を打ち消すさらなる盤石なロスターが形成された。
開幕直前にライアン・ロシターとデイヴィスがインジュアリーリスト入りしたことは非常に大きな痛手だが、何があっても結果を出さなければいけない重要なシーズン。天皇杯に加えて東アジアスーパーリーグも重なりタフさがさらに増す中、チームがどのようにこの困難を乗り越えて栄光を手にするかに注目したい。
スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は10月1日時点のもの
当初はテーブス、小酒部泰暉、マーカス・フォスター、ロシター、デイヴィスというラインナップを予想していたが、帰化枠のロシターの戦線離脱を受けてザック・バランスキーを3番ポジションとして先発起用すると予想。9月中旬に緊急獲得した帰化選手のアイラ・ブラウンがどれだけチームスタイルにフィットしているか未知数だが、彼とスティーブ・ザックを起用してフォスターもしくはセバスチャン・サイズを休ませる時間帯も出てくるだろう。
所属選手一覧

※掲載内容は10月2日時点のもの
【キープレーヤー】

テーブス海
日本代表としてもプレーするチームの顔。昨シーズンは出場した56試合すべてに先発出場し、レギュラーシーズンでは平均8.8得点、5.8アシストという好スタッツを残している。ストレッチタイプのビッグマンであるデイヴィス選手の加入により、持ち味とするペイントアタックとそこからの展開がさらに威力を増しそうだ。フィールドゴール成功率、特に3ポイントシュート成功率の改善にも期待。

大倉颯太
度重なる大ケガに苦しんだ過去を踏まえ、昨シーズンはとにかくケガなく過ごすことが至上命題だった。コート上の調整役に徹することにつとめていた昨シーズンとは異なり、2年目となる今年は魅力全開のシーズンとなるか。国内外のバスケットボールを見漁ることで得たIQを駆使し、テーブスとは異なるゲームメークでゲームを支配し、勝利に貢献したい。
【新加入選手】

マーカス・フォスター
ギリシャのパナシナイコス、イスラエルのテルアビブといったヨーロッパ屈指の強豪チームでプレー経験を持つウイングプレーヤー。昨シーズンはテルアビブの主力としてチーム屈指の得点力を発揮し、ユーロカップ優勝に貢献した。同リーグにおける3ポイントシュートの成功率は42.6%と高確率。アルバルクバスケの新たな魅力を作り出す頼もしい存在となりそうだ。