オット新ヘッドコーチ「彼の姿勢はチームを引き上げてくれる」
今オフ、サンズはケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールの両ベテランをそろって放出。生え抜きの看板選手であるデビン・ブッカーを軸に出直しを図る方針を固めた。
新生サンズにおいてブッカー、ジェイレン・グリーンと共に中心的な役割を担うのがディロン・ブルックスだ。ブルックスはグリーンと同様、デュラントを中心とした7チームがからむ大型トレードでロケッツから加入。昨シーズン平均21.0得点を挙げた23歳の若きスコアラーのグリーンは、ブッカーの新たな相棒として大きな注目を集めている。ただ、マット・イシュビアオーナーは、このトレードにおけるメインターゲットはブルックスだったと明かした。
29歳のブルックスは2017年ドラフト2巡でグリズリーズに加入し、1年目から先発のポジションをつかむ。過去2シーズン在籍したロケッツを含め、これまで全492試合に出場そ465試合で先発出場と、申し分のない実績を残している。
しかし近年のブルックスは、持ち味であるタフなディフェンスを時にやり過ぎ、コート内で対戦相手とのいざこざが多いトラブルメーカーとしても知られ、レブロン・ジェームズへの挑発的な発言などで『敵役』とマイナスイメージで取り上げられることが多い。
だが、ジョーダン・オット新ヘッドコーチは、「彼の闘争心は他の選手にないもので、強い気持ちでまわりを引っ張ってくれる。そして彼は私が見てきた中でも屈指のハードワーカーだ。彼の姿勢はチームを引き上げてくれる」と、リーダーとして彼に大きな期待を寄せている。
ブルックスはメディア・デーで「ヒールに見られることについてどう思うか」と聞かれ、次のように答えている。「メンフィスは僕を必要としていなかった。NBAで新たな道を模索する中、鏡に向かって『どうすれば求められる存在になるのか』と自問自答した。そしてフィジカルで相手を威圧するプレースタイルがヴィラン(敵役)という役割を生んだ」
さらに「会った人は僕のことを好きになる。僕と会ったことがない人、僕と対戦する人は嫌いになる。これが僕の好きなスタイルだ」と続けている。
癖の強い性格に見えるブルックスだが、周囲になじもうとする意識は思い。ブッカーは、「トレードが決まった直後、ブルックスは僕に電話をかけてくれた。対戦相手の時は嫌いだけど、味方になるのはありがたい。これまでの評判が、彼が本当はどんなタイプの選手なのかを隠していると思う」と語っている。
昨シーズン、ロケッツの復活に寄与したブルックスは、サンズでも再建の立役者になることができるのか。スタッツに出ない部分での貢献も含めて、どのような影響をもたらすのか楽しみだ。