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デュラントのウォリアーズ移籍を機に関係が悪化

昨シーズンまでサンダーの2大エースとして共存していたケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックの間には、大きく、深い溝ができてしまった。

昨年夏、デュラントはサンダーを離れる決断を下し、フリーエージェント権を行使しウォリアーズに移籍した。その一方でウェストブルックはサンダーとの契約を延長し、オクラホマシティ愛を貫いた。

デュラントの移籍に伴い、両者の関係は傍目にも改善不可能と思えるほどに悪化。それだけに、今年のオールスターゲームでKD(デュラントのニックネーム)のアシストからウェストブルックがアリウープ・ダンクを決めた場面が一つのハイライトとして大きく取り上げられた。

球宴後も大車輪の活躍を見せたウェストブルックは、55年ぶりにNBA史上2人目の『平均トリプル・ダブル』を達成し、1シーズンにおいての『トリプル・ダブル』達成回数でもNBA新記録となる42回をマークした。

デュラントから「ラスと楽しく会話できた」と報告

この大記録を作った日の夜、2人の関係にとある『出来事』が起きていた。2年前までサンダーで2人のチームメートだったケンドリック・パーキンスが間を取り持ったのだ。その後、デュラントとウェストブルックが電話で会話するまでに関係が修復されたことを、パーキンス本人が『TNT』の番組で明かしている。

ウェストブルックがオスカー・ロバートソンの記録を更新した夜、パーキンスはデュラントにテキストメッセージを送ったという。パーキンスは「その翌日だったかな、KDからメールで『ラスと楽しく会話できたよ』という連絡がきた。メディアはそのことに気づいていない。皆にも知ってもらいたいことだけれど、彼らは仲違いを押しのけて、会話する関係に戻った」と語った。

またパーキンスは、将来的にデュラントがサンダーに復帰する可能性についても言及している。「もしKDがオクラホマシティに戻ったとしても驚かない。ラスはきっと移籍しないだろうしね」

パーキンスの話はただの夢物語かもしれない。だが、レブロン・ジェームズも2010年にキャバリアーズからヒートに移籍し、4年間で2回優勝した後、2014年の夏にキャブズに復帰している。そして、昨年には球団初優勝に貢献した。レブロンは選手として優勝を実体験し、それを愛する地元に還元した。ひょっとすると、デュラントも同様に優勝という高みを知り、NBAプレーヤーになる機会を与えてくれたサンダーに恩返ししようとしている……というのは考えすぎだろうか?

もっとも、デュラントは今オフにウォリアーズと新たな契約を結ぶことを明言しており、将来的なサンダー復帰は憶測の域を出ない。だが、デュラントとウェストブルックの関係は底を脱し、再び会話するようになっているのは、『道が開ける可能性』を感じさせる出来事だ。

サンダーのファンの中にも、デュラントの移籍に理解を示している者はいる。そんなファンにとって、これほど喜ばしい知らせはないはずだ。