脇真大にとって琉球ゴールデンキングスのルーキーとして戦ったりそなグループ B.LEAGUE2024-25シーズンは、自身の可能性を証明した一年だった。チームとしては第100回天皇杯優勝とりそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン準優勝。個人としても天皇杯ベスト5、Bリーグ新人賞と高い評価を受けた。プレー面だけではなく、コート上での自信に満ちた立ち居振る舞いも、チームの中心選手になったことを感じさせる。その彼にとっての苦い記憶は、EASLでタイトルを取り逃したことだ。10月のEASL開幕を控え、脇にEASL優勝への意欲を聞いた。
「やるべきことをやれば、必ず僕らが勝利できる」
──今シーズンのEASL開幕戦の対戦相手は、昨シーズンのファイナル4で敗れた桃園パウイアン・パイロッツです。あの時の悔しさをリベンジしたいという気持ちはありますか。
リベンジというよりは、やるべきことをやれば必ず僕らが勝利できると思うので、チームとしてそれを徹底し、勝利したいです。チームケミストリーをもっと高めてチームとして戦うことで、絶対に僕らの望む結果を得られると思っています。
──佐土原遼選手、小針幸也選手という2人の日本人選手が新たに加入しました。彼らはチームにどんな影響をもたらしていますか。
佐土原選手はフィジカル面で外国籍選手にも引けを取らない強さがあります。トランジションアタックができるという強みもある。そういった佐土原選手の強みは、キングスの速いバスケットに本当にマッチしていると感じています。
小針選手にしても、持ち味であるスピードの速いプレーもあるし3ポイントシュートも得意なので、ベンチから出場しても絶対に良い流れを作ってくれる。2人の強みがチームをさらに活性化させてくれると思うので楽しみにしています。
──昨シーズン中盤以降の脇選手は、ボールハンドラーの役割を任されることも増えました。ハンドラーとしてチームをコントロールする上で、どのような意識を持ってプレーをしているのでしょうか。
ボールハンドラーの役割でプレーしている時間帯は、自分の強みであるゴールへのアタックを増やすことを考えています。僕がペイントエリアへアタックすれば相手ディフェンスは収縮するので、そこからアウトサイドへボールをさばく。僕らには素晴らしいシューターが揃っているし、ボールを全員で上手く回していくことで僕らのリズムが生まれるので、そこを意識していきたい。
その過程でミスがあったとしても、チームでしっかりコミュニケーションを取って修正すれば次に繋がるので、そういった面でも僕が起点となってチームとして頑張っていきたいです。
「ハンドラーとして隆一さんとの連携も深まっている」
──EASLでは普段対戦しないチームとの戦いが続きます。今回のオーストラリア遠征を踏まえて、そういった相手とどう戦っていくか参考になる部分はありましたか。
やはりフィジカル面では、僕も含めて日本人選手は苦戦する場面が多かった印象です。EASLで海外チームと戦う時はその反省を生かして、自分たちから積極的にヒットファーストして相手にフィジカル面で負けないような戦いが必要になってくると思います。
──この夏のオーストラリア遠征では、岸本隆一選手と同時にスターターとしてプレーする時間帯が多かったですが、ボールハンドラーとしての役割分担は2人でどのような会話をしながらプレーしていますか。
例えばオーストラリア遠征の2戦目では、僕のマッチアップする場所からピック&ロールで崩せていたので、僕をハンドラーとして使おうと話していました。逆に相手がアンダーで守ってくるチームであれば、隆一さんがボールを多く持って相手のやりたい守備をやらせないようにする。試合の中でも時間帯や場面に応じて役割を変化させています。隆一さんとは昨シーズンから一緒にプレーするなかで、そういった連携も深まってきていると感じています。
──佐土原選手もスターターとして一緒にプレーする場面が多いですが、彼との連携ではどういう意識を持ってプレーしていますか。
佐土原選手は新しくチームに入って来て、プレー面での約束事で分からない部分も多くあると思うので、その面でコミュニケーションを多く取るようにしています。僕と同じく佐土原選手の強みもトランジションでの決定力なので、速攻時には彼と同じコースを走らないようにしたり、逆に僕が走っていたら佐土原選手が逆サイドへ切れる動きをしてくれたり、そういった面でもチームがより良くなるためのコミュニケーションが取れています。
「EASLの独特なアウェーの雰囲気にも慣れました」
──アジア各国をホーム&アウェーで戦うEASLは、アウェー会場の雰囲気も国によって独特だと思います。コートで戦っていても違う雰囲気を感じることはありますか。
僕らはコートの上で戦うだけなので、プレーしている最中にアウェーの雰囲気を大きく感じることはありません。ですが、やっぱり日頃戦うBリーグとEASLでは会場の雰囲気が全然違います。そういう独特な雰囲気に慣れない選手もいるかもしれませんが、僕自身はもうEASLでプレーするのは3年目なのでそこは慣れていますね。
──今シーズンのEASLグループリーグでは、チャイニーズタイペイ、フィリピン、マカオのチームと対戦します。それぞれの国でバスケットボールのスタイルは違いますか。
やはり国が違うとバスケットボールのスタイルも全然違いますし、いかに早くその違いにアジャストしていくかが重要です。ただキングスはEASLでの戦いを何度も経験しているので、他国のチームがどんなバスケをしてくるかも分かっています。昨シーズンのEASLは敗戦で終わってしまったので、しっかり準備をしてEASLに挑み、必ず優勝したいと思います。