カイリー・アービング離脱中のポイントガードを強化
デニス・スミスJr.が1年契約でマーベリックスに復帰した。スミスJr.は2017年のNBAドラフト1巡目9位指名を受けてマブスに入団。直近のシーズンで33勝に留まりプレーオフ進出を逃したマブスは再建期にあり、スミスJr.はその核となる想定だった。
ルーキーイヤーのスミスJr.は先発に据えられて69試合に出場し、15.2得点を記録。細身のガードでありながら爆発的な運動能力でリムを攻められる彼のオフェンス力はファンを魅了し、レブロン・ジェームズも初対戦で「とんでもない可能性を秘めている」と称賛を送った。
しかし、翌年にルカ・ドンチッチが加入すると状況は一変する。2人は仲が良かったが、どちらもオンボールでプレーしたいタイプであるために共存が難しく、ドンチッチが攻撃の核となるとスミスJr.はプレータイムを失うことに。マブスは早々にドンチッチを『チームの顔』にすることを決め、スミスJr.をこのシーズンの途中でニックスにトレードした。
ニックスは2017年のNBAドラフトで、スミスJr.より1つ前の1巡目8位でフランク・ニリキナを指名したが、「スミスJr.を指名すべきだった」と批判されていた。クリスタプス・ポルジンギスをマブスに放出する際に、交換要員としてスミスJr.を要求したのはその背景もあるだろう。しかし、ニックスでもプレータイムを得られず、その後はジャーニーマンとなり、昨シーズンはNBAで契約を得られずヨーロッパでプレーした。
マブスは昨シーズン途中にドンチッチを放出し、チームの新たな形を模索している。ポイントガードのカイリー・アービングは長期離脱中で、ディアンジェロ・ラッセルがその役割を担うが、スミスJr.はポイントガードの2番手を務めることになりそうだ。
スミスJr.はこれまで多くの時間をムダにしてきたが、まだ27歳と若い。華やかなデビューを飾ったマブスへの復帰をきっかけに、キャリアを再建させられるだろうか。