伊集南

現在、3人制バスケットボール『3×3』の強化が急ピッチで進められている。5月下旬に開催されたアジアカップでは銅メダル、3×3ウーマンズシリーズでは銀メダルを獲得し、日本の強さを証明した。アジアカップに出場した伊集南は大会ベスト3に選出され、今回のワールドカップのメンバーにも選ばれた。ワールドカップに向けた直前の準備となるチェコ遠征へと発つ伊集に話を聞いた。

「みんなで日本女子を強化できるのはすごく光栄なこと」

──アジアカップに続き、ワールドカップのメンバーに選出されました。前回よりもレベルの高い大会になりますが、現在の心境はいかがですか?

アジアカップが終わって間もないんですけど、その間に違うメンバーがウーマンシリーズで銀メダルを取っていて、本当に3×3の女子がすごく盛り上がってきていると感じています。良い成績が続いているので、そのままあやかりたいというか(笑)。

違うメンバーがウーマンシリーズで準優勝をした時に、刺激を受けました。私たち以外にもチャンスがあって、みんなで切磋琢磨して、日本女子を強化できるというのはすごく光栄なことだと思います。とりあえずワールドカップのメンバーの4人の1人に自分が選ばれたということに対して、しっかり責任と誇りを持って、ジャパンプライドを持って挑みたいなという気持ちです。

──アジアカップでは銅メダルを獲得しましたが、今回のワールドカップでの目標は何になるのでしょうか?

ワールドカップで3位以上を取ったことがないと聞いているので、何としても3位以内に入れるように、まずはメダルを取りに行きたいと思っています。

今回、メンバーがまた新しく変わったので、まずはワールドカップ前のチェコ遠征でしっかりチームビルディングを行うことが大事です。自分たちのやるべきこと、勝つためのバスケットをしっかり徹底した上で、良い状態でオランダに行きたいです。ワールドカップ前の準備に、まずは最善を尽くしたいと思っています。予選の入りが重要で、強く入るとか、自分のプレーの入りを強化していきたいです。

伊集南

「日本の可能性をこの大会で示していきたい」

──アジアカップでは大会ベスト3に選出されて銅メダルを獲得しましたが、伊集選手は「最低限のところはクリア」と話し、まだまだ満足していないように映りました。

アジアカップでいろいろと評価をしてもらったのはうれしいんですけど、自分としては満足している部分はないんです。むしろ、いろいろ振り返ってみると、もっとこういうことができたな、もっとこういうことを強化すればまだまだ上を狙えるなという気持ちが多かったです。

小さいバスケットでも世界と戦えるということをウーマンシリーズのメンバーが証明しました。私も含めてここにいる子は負けてられないなという気持ちを持って臨まないといけないと思っています。そうやって女子の強化をしていけば、メダルにも繋がると思っていますし、それが東京オリンピックに続くと思っているので、まずは自分ができることをしっかり高めることが一番と思っています。

──『個』の強化を目的としつつ、メダル獲得を狙うということですね。

そうですね、予選リーグにフランスやオーストラリアがいるので、私はそことやれるのが楽しみです。そこに勝って予選1位、2位で通過しないと、決勝には行けないと思っているので。

正直ワクワクしている気持ちもありますし、このメンバーでどれだけやれるのかという不安もあります。でも、なんだかんだで楽しみな気持ちがあって、それと『やってやるぞ』という気持ちを作るために、チェコで4人でしっかり高めていきたいです。メダルを取れれば、自分の結果もついてくると思っています。

──先ほど東京オリンピックに繋がる大会になるとおっしゃいました。あらためて、今大会に懸ける思いを聞かせてください。

3×3は東京オリンピックでメダルのチャンスがあると言われています。ですけど、その前に世界大会でメダルを取れれば「日本もメダルが取れるかもしれないんだ」とより注目してもらえると思います。日本も可能性があると、この大会で示したいです。