継続ロスターは1名だが実力者が集結

ここ数シーズン、さまざまな変革を行ってきた福島だが、昨シーズンは攻守ともに噛み合わずに15勝45敗で東地区最下位に沈んだ。この結果を受けて、クラブは抜本的な改革に着手。京都ハンナリーズ躍進の立役者となった地元福島出身の渡邉拓馬ゼネラルマネージャーを招聘し、今オフはロスターを大幅に入れ替えた。

昨シーズンからの継続選手は笠井康平1名のみ。渡邊翔太、益子拓己、ワイリー光希スカイ、新川敬大、中野司、米山ジャバ偉生は、いずれも出場機会が増えればしっかりと結果を残せる実力者たちだ。帰化枠には鹿児島レブナイズのプレーオフ進出に貢献したジュフ・伴馬を獲得した。外国籍選手はいずれも初めて日本でプレーする選手たち。直近は台湾でプレーしていたケニー・マニゴールトはスピードとパワフルさを兼ね備えたオールラウンダー。新しくヘッドコーチに就任するライアン・マルシャンのもとでプレーしていたため、チームの中心として活躍することが望まれる。パトリック・ガードナーとジャック・ナンジはともに210cmを超える若手ビッグマン。インサイドにいっそうの安定感が生まれそうだ。生まれ変わった福島の躍進に注目したい。

スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は9月23日時点のもの

笠井以外の全員が新加入である上、ヘッドコーチも日本で初めて指揮をとる。いかに「チーム」としての一体感を早く仕上げられるかが今シーズン最大の焦点となるだろう。それぞれの特性を生かすことができれば輝ける選手が揃っているだけに、シーズンを通じた成長に期待したい。マルシャンヘッドコーチの志向するバスケは「堅守速攻」。若い選手が多いので、相手が嫌がるような激しいディフェンスを仕掛けてイニシアチブを握れるか注目だ。

所属選手一覧

※掲載内容は9月23日時点のもの

【キープレーヤー】

笠井康平
昨シーズンは45試合中37試合で先発を務め、平均20分49秒出場。チームハイとなる4.4アシストを記録するなどチームの中心を担った。正統派ポイントガードとして、新加入選手が多いチームをどのようにまとめるかも大きなカギとなるだろう。ディフェンス力にも定評があるため、前線からのプレッシャーやスティールでチームに流れを呼び込みたい。

【若手選手】

米山ジャバ偉生
今オフに富山グラウジーズからレンタル移籍で加入。富山では多くの出場時間を勝ち取ることができなかったが、サイズとフィジカルは一級品。昨シーズンは青森ワッツ戦で15得点を挙げるなどオフェンスで貢献した試合もあったが、まずは身体能力を生かしたディフェンスでチームの支えになることに期待したい。

【新加入選手】

ジュフ・伴馬
身長198cmとインサイドの選手としては決して大きな体格とは言えないものの、ハッスルプレーでゴール下を支える力強さと献身性を持ち合わせているパワーフォワード。3ポイントシュートも打てるため、スペーシング面でも良い影響を与えてくれそうだ。マニゴールドをウイングとして生かすためにも、そのパフォーマンスに大きな期待が寄せられる。