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スモールラインナップの爆発力で粘りのジャズを粉砕

ウォリアーズとジャズのプレーオフ準決勝第2戦、序盤の大量リードを守りきったウォリアーズが115-104でジャズを下した。

試合開始とともにウォリアーズがリーグナンバー1の攻撃力を見せ付ける。シンプルなスクリーンピックからケビン・デュラントのジャンプシュートで先制すると、得意のトランジションバスケと連動したハーフコートバスケットで得点を積み重ねた。

ディフェンスではスイッチを多用しズレを作らせず、ズレができた際にも3人目のヘルプで対応。普通のチームであればミスマッチが発生する場面でも、個々の能力が高いウォリアーズはミスマッチとなる場面が少ない。その中で攻めるようにパスの行く先を予想し、手にボールを引っ掛けターンオーバーを誘発していった。

残り4分8秒、センターのジャベール・マギーが速攻を決めて23-11、ジャズは早くも2回目のタイムアウトを要求した。

ジャズはスクリーンで作られるズレに対してヘルプディフェンスで対応するも、すべてをカバーしきれず、その中でもストレッチ4のドレイモンド・グリーンへのマークが甘くなってしまう。そしてグリーンに4本の3ポイントシュートを沈められ、15-33と大きなビハインドを背負って第1クォーターを終えた。

それでもジャズは、セカンドユニットの時間帯で主導権を握り追い上げ、本来のリズムを取り戻す。47-60と差を詰めて迎えた後半は、粘りのディフェンスでウォリアーズに迫る。最後までシュートにプレッシャーをかけ続けゴールを死守。堅実なハーフコートオフェンスを展開し、開始から2分で57-63まで追い上げた。

それでもウォリアーズはザザ・パチューリアに代えてアンドレ・イグダーラを投入すると、スモールラインナップの強みを生かし再び突き放す。高さより機動力を重視し、素早いボールチェックから連続でターンオーバーを誘発。トランジションからの速攻を繰り出し、イグダーラのバックビハインドパスからデュラントのダンクが決まって再び点差を2桁に乗せた。

粘りの後の『あと1本』が遠かったジャズ

ゴードン・ヘイワードが安定したジャンプショットでオフェンスを支え、崩れてもおかしくない場面が多々ありながら粘り続ける。それでも10点差で始まった第4クォーター、イアン・クラークやステフィン・カリーの3ポイントシュートでウォリアーズが15点前後のリードを保ち、ジャズはヘイワードが連続3ポイントシュートを決めてなお、ついていくので精一杯。ラスト2分間をフリースローの2点だけえに抑えたウォリアーズが115-104で逃げ切った。

ウォリアーズはデュラント、カリー、グリーンの3人が20得点を超え、クレイ・トンプソンも14得点とジャズに的を絞らせなかった。「ターンオーバーが多くて、集中力を欠いた時間もあった。ロードでは改善しないといけない」とグリーンは気を引き締める。

ゲームハイの33得点を挙げたヘイワードは「次の試合までに今日より良い形でシュートを打つ方法、スペースを見いだす方法を見つる必要がある。特にロードの試合では、序盤から2桁のビハインドという状況を引っくり返すのは大変なこと。相手のファンの後押しもあるしね。しっかりと対応しないといけない」と勝敗を分ける鍵となった序盤の大量ビハインドを振り返り、シュートセレクションの改善を課題に挙げた。

ジャズにとっては、正ポイントガードのジョージ・ヒルを欠く中でクロスゲームに持ち込めたことは収穫。ウォリアーズが持ち前の爆発力を証明した試合だが、辛抱強く粘りのバスケをやりきったジャズのタフさも際立った。ただ、これで2連敗。状況としては厳しいと言わざるを得ない。