写真=Getty Images

初戦で足首を痛めるも、第2戦では全く影響なくプレー

5月4日にベライゾン・センターで行なわれたセルティックスとの東カンファレンス準決勝、その第3戦に勝利し、シリーズの対戦成績を1勝2敗としたウィザーズ。ここから一気に巻き返したいところだが、巷ではウィザーズのある選手が『不正行為』を行なったという疑惑が持ち上がった。

その選手とは、フォワードのマーキーフ・モリス。モリスにかけられている嫌疑は『入れ代わり』疑惑。つまり、ピストンズに所属する双子の弟マーカスが兄マーキーフの代わりに出場したのではないか、という疑いがかけられている。

話はセルティックスとのシリーズ第1戦にさかのぼる。同試合の第2クォーターに左足首を捻挫したモリスは、わずか11分の出場に終わり、コートを後にした。倒れて悶絶した痛がり方を見る限り、第2戦での復帰は難しいのではないかと予想された中、モリスは第1戦から3日後の5月2日に行なわれた第2戦に強行出場。たった3日間で回復する程度のケガではないのは明らかだったため、出場時間も限られると思われたのだが、結果はフィールドゴール11本中6本成功を含む16得点を記録。捻挫した左足首の影響は全く見られず、周囲を驚かせた。

本来ならば『驚異的な回復力』と報じられるところなのだが、モリスの場合、一卵性の兄弟で、しかも同じNBA選手の弟がいるから話がややこしい。マーカスが所属するピストンズは東10位に終わり、プレーオフ進出を逃した。つまり、もしマーキーフが第2戦の時点で出場できない状態だったとしても、休養十分のマーカスならプレーできた、という推論は成り立つ。

そして、2人の容姿があまりにも似ていることも疑いを晴らすのが難しい要因の一つだ。マーキーフは身長208cmで、マーカスは206cm。体型もほぼ同じで、2人がチームメートだったサンズ時代に並んで立つ姿を見ても見分けがつかない。さらに、あまり知られていないことだが、2人は全く同じタトゥーを身体の同じ箇所に入れているため、肉親以外は判別できないとも言われている。

そして、モリス兄弟は過去に『入れ代わり』を実際にやったことをメディアに明かしている。サンズ時代の2013年、マーキーフが取材に対して学生時代のエピソードを語っているのだ。マーカスが足首を痛め、マーキーフがファウルアウトとなった試合で、周囲に分からないようにジャージーを交換し、マーキーフがマーカスとしてプレーしたという。

思いがけない疑いをかけられたマーカスは、Twitterで『入れ代わり』説を否定。「自分が所属していないチームでプレーすることはない。兄は捻挫した状態で上手くプレーしただけ。兄なら当然」というメッセージを投稿している。

また「話としては面白いけれどね!!」とも付け加えている。

これがネッツとニックスでプレーするブルック&ロビンのロペス兄弟ならば、ルックスの違いで見分けが付くため不可能な案だが、NBAではモリス兄弟のみに可能な『作戦』だけに、疑われても仕方がない。今のところ、彼らの不正疑惑を立証する物証は何も挙がっていないのだから。