MRI検査の結果は『大腿四頭筋の腱断裂』という重傷
3日に行われたロケッツとの準決勝第2戦、スパーズは1勝1敗のイーブンに戻す貴重な勝利を挙げたものの、試合終盤にトニー・パーカーをケガで失った。
トップスピードのドライブから急停止してのジャンプシュートを放つ際、踏み切りで足を痛めたパーカー。自分では立つことができず、チームメートに抱えられてコートを去っており、その後の経過が心配されていた。検査の結果、左足の大腿四頭筋の腱断裂と判明。太もも前部の大きな筋肉の深刻なケガであり、復帰時期未定ではあるが、今シーズンの残り試合は欠場するとクラブから発表された。
もうすぐ35歳になるパーカー。スピードを生かしたリムアタックのキレは年齢とともに失われつつあるが、それでもベテランらしい頭脳的なゲームメークや、ミドルレンジからのシュートといった新たな武器を身に着けて、スパーズにおける重鎮であり続けている。
今シーズンは63試合に出場、1試合平均のプレータイム25分強で、10.1得点を記録。彼の離脱は非常に大きな痛手だ。
この穴を埋めるのは、パーカーとプレータイムをシェアしていたパティ・ミルズ。1試合平均約22分の出場で9.5得点というスタッツを見る限りはパーカーと遜色のない第2ポイントガードだが、ゲームコントロールの面では不安が残る。
さらにはミルズに続くポイントガードとなると、昨年のドラフト全体29位で指名されたデジョンテ・マレー。パーカーの後継者候補として加入したが、ルーキーシーズンは8分半の出場で平均3.4得点と、プレーオフの山場を託すにはやはり心もとない。
そして何より、パーカー不在の影響はポイントガードの駒としてではなく、チームの精神的支柱としての部分に出るだろう。ロケッツは現時点で最も勢いのあるチームで、最初の2試合の内容からしても楽に勝てるとは思えない。ここを乗り切っても、カンファレンス決勝の相手はおそらくウォリアーズ。ロケッツとのシリーズが終わるまでにパーカー抜きのフロアバランスを完璧に整え、残った選手たちの意識から不安を一掃しない限りは、到底戦えない相手だ。
スパーズを襲った痛すぎるアクシデント。名将グレッグ・ポポビッチは今ごろ頭を抱えているのか、それともティム・ダンカン、マヌ・ジノビリ、パーカーの『ビッグ3』体制からの脱却を進めていたこの数年間の準備を一気に実らせるのか。窮地に陥ったスパーズの『次の一手』に注目が集まる。
Tony Parker injures knee, carried off court by teammates. pic.twitter.com/RYdWjLM0AT
— NBA.com (@NBAcom) 2017年5月4日