レナードが後半だけで19得点12リバウンド
ラプターズの3勝2敗で迎えたバックスとの東カンファレンスファイナル第6戦。ラプターズは第3クォーター残り2分の時点で15点のビハインドを背負ったが、カワイ・レナードを起点に12-0のランで猛追し、100-94で勝利。球団創設24年目にして初のファイナル進出を決めた。
得意のトランジションオフェンスが機能したバックスが最初にペースをつかむ。ラプターズは頼みのレナードがクリス・ミドルトンの堅守の前に沈黙。それでも、第5戦で9本中7本の3ポイントシュートを沈めたフレッド・バンブリートが、第2クォーターに4本中3本の3ポイントシュートを成功させて、43-50とどうにか点差を1桁に戻して前半を終えた。
だが、後半に入ってもラプターズの苦戦は続く。ロングリバウンドからヤニス・アデトクンボにランニングプレーを許し、ショットクロックギリギリからミドルトンに振り向きざまのタフな3ポイントシュートを決められてしまう。そして、残り2分18秒には、この日ベンチから13得点を挙げたアーサン・イリヤソバに2本のフリースローを決められ15点のビハインドを背負った。
だが、ここからレナードが本領を発揮する。ディフェンスリバウンドを拾って自ら1on1を仕掛けることで連続5得点を挙げ、相手がダブルチームに来ると冷静にパスをさばくなど、第3クォーターのラスト2分間ほぼすべてのプレーにレナードは絡み、10-0のランで猛追した。
最終クォーターの立ち上がりはラプターズが誇るセカンドユニットが力を発揮し、開始1分半で同点に追いつく。リードを失ったバックスはたまらずアデトクンボをコートに戻すも、ラプターズの集中したディフェンスによりトランジションを繰り出せず、ハーフコートオフェンスではズレを作ってもヘルプディフェンスに阻まれ、時間ばかり使うことになった。
ラプターズは、攻守ともにここ一番の集中力を見せてリードを広げていく。残り7分を切ったところでレナードがアデトクンボのブロックをかわしてダンクを叩き込み、会場はこの日最大の歓声に包まれた。
NSFW pic.twitter.com/AnRjRlZ04p
— Toronto Raptors (@Raptors) 2019年5月26日
その後、ブルック・ロペスにペイントエリアを攻め込まれ1点差に詰め寄られるシーンもあったが、レナードのピック&ロールを起点に最後まで攻めの姿勢を貫いたラプターズが、リードを保ち逃げ切った。
後半だけで19得点12リバウンド4アシスト2ブロックを記録し、逆転勝利の立役者となったレナードは「ポゼッションごとに集中した。積極的な守備もできて、シュートも決まって、みんながステップアップした」と、チーム一丸の勝利を強調した。
一方、アデトクンボは最終クォーターでフィールドゴール5本中1本成功のわずか3得点に終わるなど、終盤に失速した。ペイントエリアに侵入してもシュートを打たずにパスを探してしまうなど、自信のなさが垣間見えた。メンタルはシュートに影響し、あれだけ入っていた3ポイントシュートも、後半は16本中3本の成功に終わった。
4勝2敗でファイナルに駒を進めたラプターズ。レナードは「相手は王者。気持ちの準備を整えて、挑戦を楽しみたい」と、静かに闘志を燃やしている。ウォリアーズとのファイナル第1戦は5月31日(日本時間6月1日)に行われる。