文・写真=丸山素行

「フルスピードでやらなければ得られない練習」

男子日本代表の第2班が4月25日と26日の2日間で第4次強化合宿を実施した。先週の第1班と同様、月曜日のオフを挟んでの練習ということで、強度が高い練習が行われた。

3人、4人、5人と徐々に人数を増やしていく速攻の練習では、選手がシュートを落とすと練習を中断し、「身長が低く、身体能力で劣る日本にとって最もフィニッシュが重要だ」とルカ・パヴィチェヴィッチコーチは1本のシュートの大切さを選手に植え付けた。その後も7秒以内にシュートに持っていくアーリーオフェンスの練習など、トランジションに特化した練習を繰り返した。

まるで強豪校の部活のように選手たちは走り続ける。これまでは週末の試合が終わった翌日に合宿が行われていたため、コンディションを考慮し激しい練習は避けられてきた。「このトランジションディフェンスの確認というのは、フルスピードでやらなければ得られない練習」と、オフを挟んだ今回の合宿でトランジション強化を図った理由を説明した。

ハーフコートの5対5では最も重要なピック&ロールの動きを指南。特にマークマンがスイッチした後、ビッグマンがガードに対してディフェンスする動きを細かく指導した。ルカコーチはディフェンスを動かすだけでなく、自らドリブルして動きの確認を徹底。スクリーンのかけ方が甘い時には、『ピック!』と声を荒げるシーンが見られるほどの熱の入りようだった。

スイッチ時の選手間のコミュニケーション、セカンドチャンスを与えてしまった後のディフェンスの再構築を課題に挙げ、今後の改善を促した。

集中し切った合宿を終え、リラックスのシューティング

「スタンダードを上げることを目的にし、シンプルなゴールを設定して合宿を行ってきました。選手たちは少ない練習回数の中で非常に向上して、吸収してくれたと思います」と手応えを語るルカコーチ。

東アジア選手権に向けた選手選考については、この30人から選考する方針。基準となるのは、『アグレッシブ』と『インテンシティ』を体現でき、『オフェンスに多様性を持つ』選手。「しっかり見極めて、日本にとって一番良い状況となる選出をしたい」と語った。

合宿終了後、ルカコーチは初めてメディアの前でシュートを打つ姿を見せた。「選手の手助けになるためには、こちらも集中力を高めてやらなくてはいけません。2週続けての合宿が終わり、集中し切った後ということでリラックスした行動が出た」と笑顔で話してくれた。

Bリーグはあと残り5試合でレギュラーシーズンを終え、チャンピオンシップ、残留プレーオフの戦いが待ち受ける。選手たちはそれぞれのチームで最後までアピールを続け、代表の12枠入りを目指す。