ダニー・エインジ

デイビス獲得に向け、どう動くか

セルティックスの球団社長、ダニー・エインジは、4月30日にミルウォーキーで軽度の心臓発作を起こし、病院に搬送された。処置が早かったことが幸いし、大事には至らず順調に回復していると、息子であり、セルティックスの育成部門ディレクターを務めるオースティン・エインジが明らかにした。

『NBC Sports』とのインタビューで、オースティンは「父は順調に回復していて、おおよそ普段の生活に戻れている。ドラフトワークアウトにも顔を見せて、シーズン最後の選手の会見にも立ち会った。順調ですよ」とコメントした。

東の優勝候補と言われながら、セルティックスはレギュラーシーズンで苦しんだ。そして、プレーオフでもバックスとのカンファレンス・セミファイナルで敗れた。それを目にしたエインジは、相当な心労を抱えていたのかもしれない。『Boston Globe』によれば、心臓発作を起こした後、家族は携帯を取り上げ、セルティックスの試合をテレビで見ることを禁じた。そして球団社長という立場から退き、静かな生活を送るべきではと提案されるも、エインジにとってはセルティックスでの仕事こそ喜びであり、情熱を注いでいるものと、家族全員が理解したという。

オースティンは『Boston Globe』に、「母には、『家でお母さんと一緒にいるより、オフィスで仕事をして、自分たちと一緒にいる方が、お父さんにとってストレスにならないんだよ』とからかったよ」と語った。

来月のドラフトで1巡目指名権を3枠(14位、20位、22位)も保持しているセルティックスにとっては、エインジに1日でも早く元気な状態に戻ってもらわなければならない。全ての指名権を行使するとは思えず、以前から噂されているアンソニー・デイビス獲得に向け、ペリカンズとのトレード交渉に使う可能性が高い。

ドラフトまでの今後1カ月もだが、7月からはフリーエージェント選手との交渉も始まる。カイリー・アービング、テリー・ロジアー、アル・ホーフォードらと再契約を結ぶかどうかを決断するのもエインジの大事な仕事。来シーズンに向けた補強を進めるためにも、ハツラツと仕事をこなすエインジの決断に注目が集まる。