デイミアン・リラード

鍵を握るのはロドニー・フッド

大盛り上がりを見せているNBAのカンファレンス・セミファイナルは、セブンティシクサーズ対ラプターズのシリーズに続いて、トレイルブレイザーズ対ナゲッツのシリーズも第7戦にまでもつれることとなった。

5月9日にモーダ・センターで行われた第6戦、ホームのブレイザーズは、第3クォーターにデイミアン・リラードが17得点の活躍を見せ、119-108で勝利。対戦成績を3勝3敗のイーブンに戻した。

試合を通して32得点をあげたリラードにとって、次の第7戦はキャリア初の『Game7』となる。試合後の会見で意識するかどうかを聞かれた彼は、こう答えた。

「初めての『Game7』云々という話は聞くけれど、1チームが勝ち上がる試合としか思っていない。自分にとっては、負けたら敗退する試合だね。最後のチャンスでもある。だから、今日の試合と同じアプローチで臨む。違うのは、ロードでの試合になるということだけ。全てを賭けた戦いになる。初めての『Game7』という気持ちで試合には臨まない。自分たちにできることは分かっているし、選手としての自分の力も理解している。特に意識することはないよ。NBAファイナルの第7戦ではないからね」

ブレイザーズの勝敗を左右するのは、リラードと、この日も30得点を決めたCJ・マッカラムのワンツーパンチだった。彼らのスコアリングが伸びるかどうかは、第3のスコアラーの存在にかかっていると言っても過言ではない。その選手とは、シリーズ平均16.2得点を記録しているロドニー・フッドだ。第6戦でもベンチから4本中3本の3ポイントシュートを含む25得点をマークしたフッドについて、リラードは「彼の存在は大きいね」と言う。

「どんなシリーズであれ、自分とCJは、相手チームからマークされるのを分かっている。ウィングの選手が3ポイントシュートを決めてくれて、ポストアップ、ミッドレンジからの得点、相手のファウルを引き出す動きをしてくれると、相手も自分たち以外に意識しないといけない要素が生まれる。自分たちもプレッシャーから解放される。試合後にも言ったけれど、このシリーズでは彼が一番安定していると思う。これまでの6試合すべてで良いプレーをしている。第7戦でも、彼には同じようなプレーをしてもらう必要があるね」

ナゲッツにとって有利な点は、ホームゲームであること、そしてファーストラウンドでも第7戦に勝ってカンファレンス・セミファイナルに進出したこと。だが、リーグ屈指の勝負強さを備えるリラードを擁するブレイザーズは、決して侮れない相手だ。

リラード、マッカラム、フッドのオフェンスが爆発するか、それともナゲッツがホームの強みを生かすか。シクサーズ対ラプターズと同様に、こちらの『Game7』も、大興奮の一戦となりそうだ。