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ウェストブルックは包囲網を破れず得点が伸びない

プレーオフ1回戦、西カンファレンス3位のロケッツと同6位のサンダーの対戦。注目はレギュラシーズンMVP争いを繰り広げるジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックの直接対決。この両者のパフォーマンスが明暗を分け、後半に自慢の攻撃力が爆発したロケッツが118-87で圧勝した。

両者ともにシュート精度は高くないものの、フリースローやドライブから得点を重ね、接戦のまま試合は進んでいく。第2クォーター残り1分58秒、クリント・カペラがディフェンスに押しつぶされながら沈めたバスケット・カウントで逆転したロケッツが、59-54とリードして前半を折り返した。

第3クォーターに入ると、ウェストブルックが連続でシュートをミスする間にロケッツが走る。パトリック・ビバリーの連続3ポイントシュートで勢いに乗り、ハーデンが3ポイントシュートファウルを誘発。さらにはネネイやカペラのインサイドでの合わせが効果的に決まっていく。30-20でこのクォーターを取り、89-74とリードを広げて最終クォーターを迎えた。

点差を縮めたいサンダーだが、ウェストブルックが包囲され得点が伸びない。アウトサイドからのシュートタッチが悪く、ドライブで崩そうとするも強固な守備にはね返され、パスアウトもケアされており完全なフリーを作るに至らず、チームメートのシュート確率も上がらない。

強引すぎる突破でカペラのブロックに遭い、不用意なファウルを繰り返し、簡単にフリースローを献上するなどウェストブルックにもサンダーにも流れが来ることはなかった。

ハーデンがこのクォーター2本目の3ポイントシュートを沈め、ネネイがジャンプショットを決めて110-80と30点差に。サンダーは4分を残しウェストブルックをベンチに下げ、白旗を上げた。

ビバリーがウェストブルックを抑え21得点と活躍

ハーデンが37得点9アシスト7リバウンドの活躍を見せ、ビバリーがプレーオフキャリアハイの21得点を挙げた。またドライブからのセンターの合わせが効果的に決まり、ネネがフィールドゴール8本中7本成功の15得点、カペラが9本中7本成功の14得点を挙げ、ペイントエリアでの得点でロケッツ62-38と大きくサンダーを上回った。

ビバリーは21得点を挙げただけでなく、ウェストブルックのマークでも力を発揮。そのビバリーの勢いに押されてしまったウェストブルックは、22得点11リバウンド7アシストと数字は残したが、シュート成功率は26%(23本中6本)と低調に終わり、9ターンオーバーを犯すなど見方を変えれば『戦犯』となってしまった。

両エースの内容に差が表れ、それが脇を固める選手に伝播した結果となった。ウェストブルックの超人的な活躍でプレーオフ進出を果たしたサンダーだが、ワンマンチームの危うさを露呈した。 第2戦は舞台をサンダーのホーム、チェサピーク・エナジー・アリーナに移し行われる。4戦先勝のプレーオフ、サンダーが巻き返すか、それともロケッツが連勝するか、プレーオフの熱い戦いはまだ始まったばかりだ。