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直接対決の戦績でブルズにプレーオフ出場を譲る

4月12日、NBAはレギュラーシーズン全日程を終え、東西カンファレンスからプレーオフに進出する全16チームが決定した。

最終戦では、東の7~8位を懸けた3チームによる争いに注目が集まった。結果は、42勝40敗のペイサーズが7位通過、そして8位にはブルズが滑り込んだ。ブルズとヒートは41勝41敗で並んだものの、今シーズンの直接対決で2勝1敗と上回るブルズが上位に入り、ヒートの9位が確定した。

試合後の会見場に現れたヒート指揮官のエリック・スポールストラは、着席後しばらく下を向いたまま言葉を発することができなかった。それでも言葉を詰まらせながら、「今日以上にチームのために結果を望んだことはなかった」と語り始めた。

「チームスポーツに携わることを希望する人間なら、我々のようなチームの一員になりたいと思うはずだ。数カ月の関係とはいえ、お互いのことを知り、理解していた。困難を乗り越え成長できた。このチームの一員でいられることを光栄に思う。できることなら、これからも前進し続けるための結果を残したかった。チーム全員が感じているだろうが、明日の練習がないことを受け入れられない。バスケットボールの神様が我々に光を照らしてくださらなかったようだ……」

ヒートは開幕からの41試合を終えた時点で11勝30敗と大きく負け越し、その時点でポストシーズン進出は難しいと思われた。だが、後半の41試合をリーグ2位の30勝11敗というハイペースで巻き返し、最終戦まで東7~8位争いを盛り上げた。

ヒート一筋14年のユドニス・ハスレムは「良い時も悪い時もあったけれど、このグループは試合を楽しむ気持ちを決して忘れなかった」と、今シーズンを振り返った。

「日々の練習を楽しんだ。心から全員で取り組む仕事を楽しんだんだ。皆で競い合うことを楽しんだ。全員で成長し合うことを楽しんだ。これまでの旅路は本当に楽しかった」

生え抜きのドウェイン・ウェイドがチームを去って迎えた1年目のシーズン、ヒートはビッグネームこそ少ないが、ハッサン・ホワイトサイド、ゴラン・ドラギッチといった若手を中心に一丸となって戦い、シーズン開幕前の低評価を覆すことに成功した。同じメンバーで来シーズンを迎えられる保証はない。だが、スポールストラの言葉を借りれば、この屈辱を飛躍の肥やしにして前進し続けるしかない。

プレーオフ1回戦の組み合わせは次のとおり。15日から長く熱いポストシーズンがスタートする。


東カンファレンス プレーオフ1回戦
セルティックス 1位 8位 ブルズ
キャバリアーズ 2位 7位 ペイサーズ
ラプターズ 3位 6位 バックス
ウィザーズ 4位 5位 ホークス
西カンファレンス プレーオフ1回戦
ウォリアーズ 1位 8位 トレイルブレイザーズ
スパーズ 2位 7位 グリズリーズ
ロケッツ 3位 6位 サンダー
クリッパーズ 4位 5位 ジャズ