カワイ・レナード

ラウリーは『歩く万里の長城』とレナードを比較

カワイ・レナードは、どんな時も冷静だ。セブンティシクサーズとのカンファレンス・セミファイナル第4戦の勝負どころでも、彼は落ち着いていた。

91-90で迎えた第4クォーター残り1分1秒、レナードは左ウィングから右ウィングに移動すると、スウィッチしてきたジョエル・エンビードをものともせずに3ポイントシュートを成功させ、チームを勝利に導いた。

「第3戦では、相手に好きなようにやらせてしまった。たしか、116点から120点くらい取られたと思うけれど、それは自分たちのプレーではないから。ウチは接戦に勝ってきた。今日も相手を100点未満に抑えられた。こういうプレーをしないといけないんだ」と、レナードは語った。

エンビード越しのロングシュートについて聞かれた彼は、以前も似たようなシュートを放ち、リムまで届かなかったことが頭にあったと答えた。「短かったシュートがあったからね。その瞬間を思い出していたし、練習してきたから自分に言い聞かせた。必ずリムの後方までボールを届かせようってね」

レナードは、7本中5本の3ポイントシュートを成功させ、39得点14リバウンド5アシストを記録。ラプターズは101-96で勝利し、シリーズを2勝2敗のタイに戻した。

プレーオフに入ってから安定感抜群のレナードのプレーを隣で見ているカイル・ラウリーは、「カワイは群を抜いている。そびえ立つ存在」と、『ESPN』に語った。そして彼は、ロケッツ時代にチームメートだった、アジアを代表する選手とレナードを比較し、こう続けた。

「彼以外で相手を支配できる存在は、一人しか知らない。ヤオ・ミンだよ。いつだろうと、どの会場だろうと、勢いに乗ったら止められない。カワイは、この1月カそういうプレーをしている」

第5戦からは、ホームとロードの試合が交互に組まれるスケジュールになる。レナードが攻守両面で安定している限り、ラプターズは簡単に負けないだろう。エースの活躍で第4戦を制したラプターズが、再びシリーズの流れを掴もうとしている。