グレゴリー・エチェニケ

オン・ザ・コート1で猛威を振るうエチェニケ

B2プレーオフの準決勝で勝利していればB1昇格が決まった熊本ヴォルターズと島根スサノオマジックだが、ともに敗れたことで3位決定戦がB1昇格を懸けた大一番となった。

立ち上がり、島根は開始4分間ノーゴール。ストレッチタイプのビッグマンである熊本のジョシュ・ドゥインカーに3ポイントシュートを決められ、さらにファウルを誘われたことで開始6分で得点源であるロスコ・アレンの個人ファウルが2つに。昇格を懸けた試合だけに主力を早々に下げるわけにはいかないとコートに残すも、ドゥインカーに仕掛けられて個人ファウル3つ。島根の強気な采配は裏目に出てしまった。

第1クォーターで19-12とリードを奪った熊本は、第2クォーターからチェハーレス・タブスコットとドゥインカーに中西良太を加えたビッグラインナップで、ファウルトラブルの島根のインサイドを狙い打ちにする。それでも島根はタブスコットを小阪彰久にマークさせ、グレゴリー・エチェニケが中西を抑えながらヘルプもこなすことで対抗する。前半を終えて28-34。島根はビハインドこそ背負っていたものの、ほとんどの時間帯がオン・ザ・コート1だった不利を考えれば上々の結果だった。

後半に入ると、アレンが戻った島根、古野拓巳が奮起する熊本は一進一退の攻防を見せる。第3クォーターを終えて57-57、その後もリードチェンジを繰り返した。残り14秒でドライブで仕掛けたタブスコットがバスケット・カウントをもぎ取り、熊本が抜け出したかに思われたが、島根はアレンの強引なアタックでフリースローを得て追い付き、決着はオーバータイムに持ち越された。

中西良太

再三のチャンスを生かせない熊本、わずかな差に屈する

延長戦、ルーズボール争いを制した古野のドライブで熊本が先手を取る。それでもアレンのファウルトラブル以降は1人でゴール下を支えるエチェニケが、ここに来て運動量もパワーも落とすことなくフル回転。オフェンスリバウンドをもぎ取り、ドゥインカーをファウルアウトへと追い込む。

終盤、相馬のミドルシュートが決まって島根が2点のリードを奪うが、残り18秒からの熊本のオフェンスで仕掛けたタブスコットに対して痛恨のファウル。しかし、このフリースローの1本目をタブスコットが外してしまう。一方、熊本のファウルゲームに対してエチェニケが2本をしっかりと決め、91-88で勝利。昇格を懸けた激戦の勝敗を分けたのは、フリースローの差だった。

オーバータイムも含め45分フル出場しながら最後までプレーの質が落ちなかったエチェニケは、35得点20リバウンドを記録。緊迫した展開が続くプレーオフは「気持ちの勝負」と強調されるが、熊本の保田ヘッドコーチにも「ダブルチーム、トリプルチームに行ってもボールを失わず、自分の強みを生かしたスマートなプレーをしていた」と、その奮闘ぶりに脱帽といった様子。

多くの選手がファウルトラブルに陥る展開で、1人で12ものファールを誘発し、フリースローを15本決め、そしてフィールドゴール10本すべてを決めるなど、圧倒的なパフォーマンスを見せたエチェニケが、島根に大きな1勝をもたらした。