文・写真=鈴木栄一

ローポストで強烈な存在感を見せ、リバウンドで圧倒

4月9日、栃木ブレックスは千葉ジェッツ相手に72-64で勝利。自慢の守備が崩壊しての大敗(80-92)から見事なカムバックを果たし、激戦の東地区で首位の座をしっかりキープした。

この試合、勝利の立役者となったのはジェフ・ギブスだ。約27分の出場で23得点12リバウンドと攻守に躍動した。攻撃ではパワー満点のアタックから高確率でシュートを決め、チームトップの得点をマーク。守備ではリバウンドに加え数字に出ない部分でも持ち味のフィジカルの強さを生かした激しいディフェンスで、リーグ屈指の破壊力を誇る千葉の強力オフェンスを64点に抑えるのに貢献した。

リバウンドを取ってから素早く展開することでテンポを作り出していくのが千葉のスタイルであるが、この試合ではギブスを軸にライアン・ロシター、竹内公輔を擁する栃木のインサイド陣が、オフェンスリバウンド17本を含む48本を奪取。千葉の30本をリバウンドで大きく上回ったことが最大の勝因となった。

「ディフェンスのスタイルを前日から変えた。後半はよりアグレッシブにプレーし、相手のセカンドチャンスからの得点を抑えることができた。オフェンスでは、ローポストでの存在感をより出していき、アグレッシブにプレーすることを心掛けた」とギフスは試合を振り返る。

そして勝利の肝となったリバウンド争いについて「僕たちはリーグを代表するリバウンド力を持っている。オフェンスリバウンドはリーグトップであり、セカンチャンスポイントをしっかり挙げられたのはよかった」と続けた。

前日の反省を生かしストーンとアームストロングを封殺

また、この日の栃木は、前日の試合でやられてしまっていた千葉のピック&ロールに的確に対処。「富樫(勇樹)を中心としたピック&ロールについて、試合後のミーティングで対策を練った。昨日は試合序盤からやられてしまったが、今日はそこを抑えることができた」とギブスは語る。その結果として、千葉のオフェンスがアウトサイドからの単発シュートが増えた側面はあるだろう。

また千葉は前日、タイラー・ストーンが29得点(フリースロー9本中8本成功)、ヒルトン・アームストロングが14得点10リバウンドと、外国籍コンビの活躍も光った。しかし、この日、ストーンは10得点(フリースローは0本)、アームストロングは9得点3リバウンドにとどまった。

この2人が本来の力を発揮できなかったのも、ギブスの堅守があったからこそ。「ストーン、アームストロングともに素晴らしいアスリートだ。ストーンは3番(スモールフォワード)と4番(パワーフォワード)の要素を持った選手、彼はアウトサイドから1対1を仕掛けるのを得意とする。よって守備ではスイッチなども使い、1対1からのアタックをできるだけさせないことを意識した。アームストロングは富樫やストーンとのコンビプレーを抑えるように心掛けた」と述べる。

前日の92失点は、栃木にとってシーズン最多失点。それだけにギブスも「昨日はとても恥ずかしい試合だった。僕たちは1試合60点台に抑えることを目標としている。誰がコートに出ていても自分たちのディフェンスができれば、リーグトップの力がある。それが今日の試合で証明されたと思う」と、持ち味の堅守復活で勝ったことに結果だけでなく、内容でも満足している。

『柔』のロシターと『剛』のギブスが噛み合えば盤石

現在、中地区と西地区では早々に川崎ブレイブサンダース、シーホース三河が地区優勝を決めている一方、東地区は栃木が首位に立っているものの、アルバルク東京、千葉ジェツと5強の内の3チームが在籍し、激戦が続いている。

地区首位と言えど、レギュラーシーズンの最後まで気が抜けないのは東の首位、栃木だけ。それでもギブスはこれをポジティブにとらえている。「千葉とアルバルクはリーグ屈指の強豪で、東は最もタフな地区だ。それは良いことだと思う。毎週のように強豪と試合をしながらチャンピオンシップに挑めるのはチームの助けになる」

アメリカンフットボールでも鍛えた強靭なフィジカルとスピード。そして身長こそ188cmだが、両手を広げた長さでは210cm近い抜群のリーチを生かし、ゴール下で自分より20cm高い相手にも互角以上に渡り合う強さを持つ。『速さを備えた重戦車』であるギブスの存在感が増す時、それは栃木がゴール下の強みを効果的に生かせている時でもある。

エースのロシターは、アウトサイドからのシュートも得意とし高さに加え、巧みなステップワークと『柔』の動きを特徴とする。そこにパワー満点、『剛』のギブスが効果的に絡んでいくことで、栃木の強さはより盤石となるのだ。