前日の反省を生かすも、絶好調の富樫が立ちふさがる
千葉ジェッツのホーム、船橋アリーナに富山グラウジーズが乗り込んだチャンピオンシップのクォーターファイナル第2戦。
前日の第1戦では73-102と大敗した富山は、スターティングメンバーを水戸健史から船生誠也に変えて挑んだ。インサイドのジョシュア・スミスがダブルチームで囲まれると、その裏のスペースに走り込む宇都直輝に合わせたり、フリーとなった船生の3ポイントシュートなど、第1戦より攻めのバリエーションが増える。ただ、放ったシュートがなかなか安定せず、チャンスをモノにできずに第1クォーターで15-23とビハインドを背負う。
第2クォーターにはレオ・ライオンズと阿部友和を軸にリズムを作り出すが、オフェンスファウルで自ら流れを切ってしまう。さらに残り4分半でチームファウルが5に到達。千葉のトランジションオフェンスを止められなくなる。終了間際にはゴール下に飛び込んだマイケル・パーカーを止めた宇都がアンスポーツマンライクファウルをコールされるなど、36-45で前半を終えた。
後半、スミスがダブルチームを突破して得点したり、宇都のドライブ、阿部の3ポイントシュートと富山の反撃はあったものの、いずれも単発で流れを呼び込むには至らず。逆に絶好調の富樫勇樹に3ポイントシュート2本を含む13得点を第3クォーターに決められ、点差が開いていく。最終クォーターで初めて富山は25-23と上回ったが、千葉を脅かすには至らなかった。
阿部「ものすごく楽しいシーズンでした」
昨シーズンまで所属した千葉との対戦を終えた阿部は「一つでも勝ちたかったという悔しい気持ちです。ただ富山としてチャンピオンシップで胸を張って戦えたので、悔しさは残るが気持ちの面ではやり切ったかな」とこの連戦を振り返った。
阿部が言うように、今シーズンの富山は指揮官交代、選手の半分を入れ替えた。残留争いをしていたチームが1年でここまでステップアップしたのだから意味はある。阿部は「本当に面白いチームだと思います。今日負けたから終わりじゃなく、来年、再来年に繋がるシーズンだった」と振り返る。
阿部個人としても、千葉の3番手のポイントガードから、試合終盤の勝負どころを任される司令塔へとステップアップ。古巣相手にシーズンを終えたことで、感極まる部分もあった。「富山グラウジーズというチームで、選手とスタッフとブースターさんと富山の地でバスケットができたことが本当に楽しくて。最後は負けてしまい、個人としては課題も残ったので、まだまだ精進していきたい」と力強く語った。
チームとしては大きく成長したが、これを来シーズンに繋げることも大事。チャンピオンシップ進出を争い、勝ち取ってこの週末の試合を戦ったことで、選手たちはいろいろな経験を詰めたはず。来シーズンにもう一伸びできるかどうか、富山は引き続き注目のチームとなりそうだ。