前半は拮抗するも、第3クォーターに試練
4月27日、川崎ブレイブサンダースが栃木ブレックスのホームに乗り込んだクォーターファイナル第2戦。初戦に敗れて後がない川崎だったが、まるで前日の第1戦を再現するかのように第3クォーターで6-22と失速し、62-89の完敗を喫した。栃木はセミファイナルへ進出し、川崎のシーズンは終わりを告げた。
立ち上がり、川崎は前線から激しいプレッシャーをかける篠山竜青が、自らのプレーでチームに気合を注入する。オフェンスでは素早く前にボールを運び、アップテンポなバスケで加点していった。林翔太郎の3ポイントシュート2本成功もあり先行したが、遠藤祐亮や比江島慎にデザインされたプレーから外角シュートを射抜かれ、逆転を許す。
それでも、不調にあえいでいた辻直人がこのシリーズ初の3ポイントシュートを決めてチームを勢いづけると、ニック・ファジーカスが自らのスティールから速攻に持ち込み5点のリードを奪った。だが、この日シュートタッチが絶好調の比江島に、前半だけで4本の3ポイントシュートを沈められ、4点のビハインドを背負って前半を終えた。
ファジーカスは、シュートを打つ時に受けるハンドチェックがファウルコールされずにフラストレーションを溜めていたが、それでも前半で10得点を挙げ、どうにか食らいついていった。
ファジーカスが5ファウルとなり終幕
それでも第3クォーター、「出だしが2回連続ターンオーバーで始まって、そこで栃木さんに流れが行ってしまった」と北卓也ヘッドコーチが嘆いたように、川崎は自分たちのミスで失速する。
前日と同様に、栃木のスタート陣がディフェンスのギアを一段上げたことで川崎はオフェンスが停滞。ノーマークでシュートを打てるシーンはほとんどなく、ファジーカスを狙ったパスは、半身でかぶさるライアン・ロシターにカットされ、速攻へと繋げられた。
オフェンスの停滞はディフェンスにも悪影響を及ぼし、栃木のボールへの執着心の前にセカンドボールを何度も拾われた。川崎はこのクォーターだけで7個のターンオーバーを犯し、10本のオフェンスリバウンドを許し6-22と圧倒された。北ヘッドコーチが「我慢ができなかった」と言うように、一度狂った歯車は噛み合うことなく、点差を20に広げられた。
さらに、第3クォーター終了間際にはファジーカスが4つ目のファウルをコールされ、それに抗議しテクニカルファウルも上乗せされて退場に。ファジーカスがいない川崎に逆転する力は残されていなかった。
「リーグ1、2位を争うディフェンスのチーム」
志半ばでシーズンが終了したファジーカスは「思い描いた通りにいかず、ガッカリしている」と率直な気持ちを明かした。そして、「特に第3クォーターは、チームとしてなかなか得点できずに苦しんだ。すべてがダメになってしまった」と魔の10分間を振り返った。
北ヘッドコーチは素直に負けを認め、「本当にリーグ1、2位を争うディフェンスのチーム」と、相手を称賛した。「2試合とも完敗でした。交代で出てくる選手もディフェンスのレベルが落ちない。今日も何本か取られてますけど、リバウンドやルーズボールが非常に強いので、そこを止めるのは厄介だった。時間帯によってはディフェンスを変えてきますし、それをコートに出てる5人が遂行できるので、オフェンスするチームにとっては対応が難しいです」
「栃木さんにはセミファイナルでエキサイティングなゲームをして、3シーズン目のBリーグを盛り上げてほしいと思います」との北のエールとともに、川崎の2018-19シーズンは幕を下ろした。
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