プレーオフを見据え「ケアを怠るわけにはいかない」
レブロン・ジェームズは、NBAオールスター本戦の開始直前にプレーしないことを明らかにした。2004年以降のオールスターでレブロン不在は初めてのこと。ファンはがっかりしただろうが、誰よりも当の本人が失望していた。
「本当に嫌だ」とレブロンは言った。「今日はユニフォームを着ることができない。足首と足に違和感がまだあるからプレーしない。だけど新しいフォーマットのオールスターを見るのは楽しみだよ」
「今朝起きた時点でもっと良くなっていることを期待していたけど、まだ十分な状態ではなかった。まだレギュラーシーズンは30試合残っていて、過酷な西カンファレンスでプレーオフ進出を目指すからには身体のケアを怠るわけにはいかない。シーズン再開には間に合わせるつもりだから、今日中にロスに戻って、休みなしで明日からリハビリだよ」
レブロンは40歳になった今も高いレベルをキープしているが、年々無理はできなくなっており、若い頃のように長いシーズンをアクセル全開で突っ走るわけにはいかない。それを経験でカバーすべく、今の彼は自分の身体と向き合い、スケジュールとすり合わせる作業に多くの労力を割いている。
難しい時期を迎えているのは間違いないが、レブロンは「僕はこの瞬間をとても大切にしている」と語った。
「いずれ、いつか分からないけどその時が来るだろうけど、今この瞬間はそう得られるものじゃないと思っている。だからこそ良い時も悪い時も、厳しい逆境だって優勝を目指して努力する過程の一部だ。すべての瞬間が、僕にとって自分の大好きなことをしている時でもある。僕はそれを長く続けてきた。プロとしては22年だけど、8歳の頃からコーチや審判がいるレベルでバスケをやっているんだ。それからずっと僕は自分のベストを尽くしてきたし、そのプロセスを愛してきた」
オールスター本戦のための会見では、ダンクコンテストの質問も出た。前日にマック・マクラングが『自動車超え』のダンクを決めて3年連続の優勝を勝ち取り、あまりに圧倒的なそのパフォーマンスに刺激されたヤニス・アデトクンボやザック・ラビーンが来年の出場への意欲を見せた。
「君も出ようとは思わない?」と質問されたレブロンは「僕はノーだ」と答えた。「後悔はないよ。これまでやりたいと思ったことは何度かあるけど、実現しなかった。ケガを抱えていたか、調子が上がらなかったか、気分が乗らなかったか。もし彼らがダンクコンテストに出場するなら、その身体能力のすごさは分かっているから、見るのが楽しみだね」
オールスター本戦の出場でさえ回避せざるを得なかった今のレブロンが、ダンクコンテストに出場するリスクを冒すはずはない。大ベテランの年齢になった彼は、いくつかのものをあきらめながらキャリアを続けている。彼にとって譲れないものはレギュラーシーズン後半戦に、その先のプレーオフにある。