スパーズ

「オフに向けた準備をしたい選手なんていない」

レギュラーシーズンの順位こそナゲッツが2位、そしてスパーズが7位だが、プレーオフでの経験値で比較した場合、名将グレッグ・ポポビッチが率いるスパーズの方がナゲッツを大きく上回っている。

負ければシーズン終了の状況で迎えたファーストラウンド第6戦、スパーズの選手は何をすべきか理解していた。ラマーカス・オルドリッジが26得点10リバウンド5アシスト、デマー・デローザンが25得点7リバウンド7アシストを記録した以外にも、ルディ・ゲイがシリーズハイとなる19得点をベンチからマーク。スパーズは先発全員がフィールドゴール成功率50%を超え、セカンドユニットの合計得点でも今シリーズで初めてナゲッツを上回った(36-13)。

ポポビッチは「今日の試合では、多くの選手がプレーに絡んだ。多くの選手が良いプレーをしてくれた。ナゲッツがシリーズを通して安定してやっていたことだが、我々は今夜それを実行できた。素晴らしかった」と、選手を称賛。しかし、第6戦で機能した戦術について聞かれた彼は、「プランはプランだ」と簡潔に答え、いつもの『ポポビッチ節』に逆戻り。「上手くいくこともあるが、そうではない場合だってある。諸君と戦術について議論する気はない。お言葉だが、どうして皆さんと戦術について話さないといけないのか理解できない。秘密でもないし、誰も見たことがないものでもない。今夜の試合では機能しただけだ」と、続けた。

ここ数シーズンでロスターが様変わりしたスパーズには、プレーオフシリーズ第7戦を経験していない若手も少なくない。デローザンは「(第7戦は)崖っぷちの状態。勝ち上がるか、それともシーズンが終わるかの試合。単純なことさ。全ての瞬間が重要。試合を終えて、オフに向けた準備をしたい選手なんていない。そういう気持ちが差として現れる。今日の試合のように対応するだけ」と答えた。

主力に若い選手が多いナゲッツにとっても、全てを賭けて戦う『Game 7』は未体験ゾーンだ。第6戦で43得点12リバウンド9アシストの大活躍だったニコラ・ヨキッチにとっても、シリーズ最終戦は初めての経験になる。

「今日よりもタフな試合になるだろうね。でも、次は自分たちにとってホームゲームだから、自分たちに有利にはたらくかもしれない」

勢いのナゲッツか、それとも経験のスパーズか。第7戦は、デンバーで4月26日に行われる。