「誰がいてもいなくても常に試合に勝つチャンスがあると感じている」
開幕から欠場が続くクリッパーズのカワイ・レナードが、現地9日に今シーズン初めてチーム練習に参加したことがわかった。クリッパーズのタロン・ルーヘッドコーチは『ESPN』の取材に対し、「彼はオフェンスのスクリプト、守備のメニューなどをコンタクトなしで行った。ほぼ全てのメニューに参加している」と語っている。
ルーは、レナードの状態について「とても良い兆候だ」と続ける。「彼にとって一番大切なのは自信を持つことだと思う。自信を持ってトレーニングを続け、痛みを感じないことだ。そしてコートにいるの彼の姿を見て、私たちはちょっとした活力を得られた」
ただ、レナードの具体的な復帰時期については不透明なままだ。ルーは「(復帰は)すぐではない」と明言を避けたが、「ある時点で、私たちは彼に本来のカワイ・レナードになってもらう必要がある。そして彼はそれができる。昨シーズンの彼は68試合に出場し、本当に高いレベルでプレーした。私たちは彼をその状態に戻さないといけない」と、レナードが不可欠な戦力であると続ける。
大黒柱であるレナード不在ながら、クリッパーズはここまで14勝11敗とプレーオフ圏内で踏ん張っている。オフにポール・ジョージが移籍し、レナードもいない現在、オフェンスレーティングは117.9から110.4と大きくダウンしているが、ディフェンスレーティングは114.6から108.5と改善。粘り強いディフェンスが光っている。
またオフェンスでは、ノーマン・パウエルが現在1試合平均23.6得点と、昨シーズンの13.9得点から大きな進化を見せている。パウエルだけでなく各選手がステップアップを果たしているから、クリッパーズは上位争いにからんでいると言える。ルーは、「誰がいてもいなくても常に試合に勝つチャンスがあると感じている」とチーム力への自信を語る。「(今いるメンバーで)勝つ方法を見つけるだけだ。毎晩、違うやり方になるが、彼らは勝つためのコンビネーションを見つけている。彼らを称えないといけない」
このようにレナード不在でもチーム力で奮闘しているクリッパーズだが、ここ7試合で3勝4敗と貯金は増えていない。また、主力の1人だったデリック・ジョーンズJr.が、ハムストリングの負傷で少なくとも数週間離脱することになり、台所事情はより苦しくなっている。
故障再発のリスクを回避するためにも慎重な姿勢が求められるが、チームが上位に浮上するにはレナードの力が必要不可欠だ。最終的な意思決定は本人次第だろうが、クリッパーズ首脳陣は難しい判断を強いられることになる。