バックスは直近で8勝1敗と復調、自信を取り戻す
バックスは開幕から2勝8敗と低調なスタートを切ったが、その後は8勝1敗と復調し、今はすっかり自信を取り戻している。現地11月26日のヒート戦は、ヤニス・アデトクンボが膝のケガで欠場したにもかかわらず、デイミアン・リラードが37得点でチームを引っ張り、ほとんどの時間帯でリードしての快勝。そして現地11月30日のウィザーズ戦ではコンディションを整えたアデトクンボが復帰し、42得点12リバウンド11アシストと絶好調のパフォーマンスでチームを勝利に導いた。
指揮官ドック・リバースは「我々は48分間を上手く乗り切る術を学びつつある」と言う。「ミスを犯すこともあるが、それはどのチームにも起きること。今のウチはディフェンスが安定しており、オフェンスでは正しいプレー選択ができている。何か問題があっても立て直す力がある」
再建中でリーグ最下位と低迷するウィザーズを相手に終盤までもつれる試合運びではあったが、終盤には確実にゲームをコントロールして、粘る相手を突き放した。第4クォーター残り5分から、つまりクラッチタイムに10-0のランを記録。ウィザーズはジョーダン・プールが31得点7アシスト、マルコム・ブログドンが29得点11リバウンドと気を吐いたが、バックスは終盤に力の差を見せ付け、124-114で勝利した。
ヒート戦ではリラードが相手ディフェンスの注目を引き付けてチームオフェンスを機能させ、今回はアデトクンボがそれをやった。膝の痛みがなくなったアデトクンボのリムアタックは一人では到底止められず、8度のダンクを決め、17本のフリースローを得た。彼を止めるにはダブルチームで守るしかない。アデトクンボはディフェンス2人を引き付け、可能であれば3人目までヘルプに来させてパスを送り、自由自在にオフェンスを演出した。
休養がプラスに働いたのは間違いない。「何日か休んで練習を再開して、すべての動きに力強さを感じた」とアデトクンボは言う。
ただ、本当はヒート戦も欠場したくはなかった。ヒートでの試合は、彼はウォーミングアップまではいつも通りこなしていた。「欠場する時のほとんどはそうなんだ。ダメそうでもコートには出てみてプレーするチャンスを探る。前回はウォーミングアップをして、ロッカールームに戻ってケアをして、それでも膝が腫れていたので出場を見合わせた。いつだってそうやってプレーしているんだ」
開幕当初は手探りだったチームプレーも、ここに来て向上しており、結果も出ていることで自信に繋がっている。「今はみんな自分の役割を理解し、さらにお互いの役割も理解するようになっている。勝つためのプレーができている感じがするよ」
成長と自信は、加入2年目のリラードとアデトクンボの連携に顕著に見られる。1年前は交互にアイソレーションを仕掛けていた2人が、今は共通意識を持ってプレーしている。「これは時間とともに成長するものだ。彼が欲しいのはボールなのかスペースなのか、一緒にプレーする時間が長くなればなるほど、分かるようになる。僕らはお互いを信頼し合ってプレーしているよ」
アデトクンボにとって今回がキャリア通算48回目のトリプル・ダブル。それでも40得点以上を記録してのトリプル・ダブルは今回が初めてだ。そして、35得点以上でのトリプル・ダブルの記録でマイケル・ジョーダンに並んだ。ただ、そのことを伝えられてもアデトクンボは素っ気なかった。
「あまり気にしていないんだ」と彼は言う。「40歳になって、ハワイとかカリブ海のどこかでピニャコラーダを飲みながら、かつての僕がどれだけすごい選手だったか妻と話す時に『僕はジョーダンの記録に並んだんだよ』と言うだろうね。今は次のピストンズ戦に向けて気を引き締めたい」