アンソニー・エドワーズ

「だから地元のファンからブーイングされる目に遭う」

ティンバーウルブズはここまで8勝10敗。開幕直前に主力選手のトレードもあった若いチームとしては焦らずにここから挽回していけばいい成績だが、直近の9試合で7敗、現在は4連敗中となると話は緊迫してくる。その中には再建中のトレイルブレイザーズやラプターズに敗れた試合もあった。そして何よりマズいのは、リードしていながら逆転負けする試合が多いことだ。

直近の4連敗のうち3つの原因は分かりやすい。司令塔のマイク・コンリーが欠場していた。コンリーほどのバスケIQとプレーメークの能力を持つポイントガードはなかなかおらず、その穴を埋めるのは簡単ではない。だが、3連敗はやられすぎだし、コンリーが戻って来たキングス戦にも負けた。

このチーム状況への危機感をあらわにしたのがアンソニー・エドワーズだ。キングス相手に残り7分で12点リードしていながら、マリーク・モンクとディアロン・フォックスを止められず逆転負けを喫し、地元ファンからブーイングを浴びた試合後、「なぜ僕らがゴミみたいなチームなのか知りたいだろう。今の僕らのアイデンティティは、はっきり言って貧弱だ」と語り始めた。

「これは相手チームの問題じゃなく、チームの内面が弱いからだ。お互いに会話がない。みんな子供だよ。みんなバラバラの方向を向いてコミュニケーションを取っていない。それが僕らが負ける主な原因だ。以前はそうじゃなかったのに、次第にこうなっていった。何がおかしいって、新たに加わった選手は2人だけで、ほとんどのメンバーはずっと一緒なのに僕らがチームになれていないことだ。チームの15人がみんな自分の殻に閉じこもっている。だから地元のファンからブーイングされるような目に遭うんだ」

「物事は簡単なように見えて、すごく複雑なことがある」とエドワーズは言う。その口調は落ち着いてきるが、危機感に満ちている。「それぞれが異なる思惑を持っているとチームとしてまとまるのは難しい。みんなが同じ目標に向かうために何を言えばいいのか、その言葉を僕は探している」

キングス戦で復帰したコンリーは、ハーフタイムにチームに檄を飛ばしたと言う。だが、その効果はなかった。「お互いに声を上げ、コミュニケーションを取らなきゃいけない。人の意見に耳を傾けるんだ。勝ちたければ、そうしなければいけない」とコンリーは言う。

「僕らに必要なのは信じることだ。シュートを決めるか外すか、ターンオーバーをするかしないかの話じゃない。僕らは互いの欠点を受け入れ、そして支え合わなきゃいけない。その点で未熟なチームであってはならないんだ」

昨シーズンのプレーオフでサンズ、ナゲッツと優勝候補を撃破してカンファレンスファイナルに進んだことで、チームに驕りや油断が出たのかもしれない。だが、習慣とは恐ろしいもので、それに慣れてしまえば修正するのは難しい。だからこそ今、エドワーズやコンリーは声を上げている。正しい道へと軌道修正できるか、ウルブズは今が正念場なのかもしれない。