「謝罪、感謝の気持ちを持ってプレーをすることが大事」
4月14日、前日の勝利で中地区優勝を決めた新潟アルビレックスは前日に続いて川崎ブレイブサンダースと対戦。五十嵐圭、ラモント・ハミルトンのベテラン2名を温存しながらも、ハミルトンの代役として出場したアマンゼ・エゲケゼが3ポイントシュート11本中7本成功を含む34得点と大暴れ。さらに鵜澤潤の12得点と脇役の活躍もあり、84-74と川崎に連勝を収めた。
新潟にとってはチャンピオンシップに向けて弾みのつく2日間となった。ここに、さらなるプラス材料として加わるのは今村佳太の復帰だ。アジア競技大会での不祥事により科された1年間の出場停止処分が解除されたことで、今週から試合出場が可能となった今村は、この2日間ともに出場。13日は17分半の出場で7得点3アシスト、この日は12分半出場で2得点2リバウンド1アシストを記録した。シュートミスも多かったが、ブランクを考えればまずは及第点と言える内容だ。
「2試合とも出させていただいてゲーム勘を少しずつでも戻せているかなと思います。オフェンス云々というより、まずはチームにどれだけエナジーを与えられるか。声かけであったり、ディフェンスにフォーカスしてやろうと思っていました。思ったよりも手応えはありますが、まだまだ足りないです」と本人はこの2日間を振り返る。
不祥事がなければ今村は新潟の主軸として働いていたはずだった。庄司和広ヘッドコーチが「彼は良いボールハンドラーで、ウチにはいないタイプ。シーズンが始まる前は彼を中心に考えていたところもありました」と説明するように、主力を張るだけの実力がある。
チャンピオンシップに向け指揮官は「彼の力は必要」
バスケットボール選手としてコートに戻って来られたが、もちろん自らの行為に対する贖罪の気持ちは常に持ち続けている。だからこそ、彼の地元である長岡で開催され、復権後は初のホームゲームとなる来週の横浜ビー・コルセアーズ戦に向けた思いを次のように語る。
「ホームゲームに向けて、緊張と楽しみのどっちもあります。それよりもまずは今回、僕が犯してしまった不祥事に対する謝罪、感謝の気持ちを持ってプレーをすることが大事です」
庄司ヘッドコーチは、今週の今村について「チャンピオンシップに向けて彼の力は必要です。彼の良さを短期間で引き出せるようにさらなる上積みをしないといけないです。まずは思ってた以上に機能し、そこそこできました」と、順調なスタートだったと評する。
今村は新潟の他の2番、3番ポジションの選手にはない個性を持っている。「ディフェンスの部分では足を使い、身長を生かしてアグレッシブに行く。オフェンスの部分ではドライブ、ペイントタッチが強みですし、3ポイントシュートも打っていくことで、中と外のバランスよくチームが良い循環でバスケットボールをできるようにしていきたい」
チャンピオンシップのクォーターファイナルで対戦するアルバルク東京は、日本代表の田中大貴、馬場雄大と2番、3番ポジションではリーグ随一の層の厚さを誇る。だからこそ両方のポジションをこなせるサイズと器用さを持った今村の復帰は、新潟にとって大きい。今村は、どん底の苦しみにいた自分を励まし、支えてくれた新潟ブースターへの何よりの恩返しとしてチャンピオンシップでの活躍を誓っている
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