ラメロとカニングハム不在の延長で存在感を示す
昨シーズンのピストンズは不名誉な連敗記録を打ち立てての14勝68敗、ホーネッツも21勝61敗と全く勝てなかった。それに比べると、今シーズンはここまでピストンズが7勝10敗、ホーネッツが6勝9敗と健闘している。その両チームが対戦した現地11月21日の試合は、オーバータイムにもつれた末にホーネッツが123-121で勝利した。
どちらもガッツを前面に押し出す良い戦いを見せたが、若いチームゆえの安定感のなさ、脇の甘さがあった。ピストンズはジェイレン・デューレンが、ホーネッツではラメロ・ボールがファウルトラブルで出場時間を制限され、ラメロはオーバータイム開始1秒でファウルアウトとなっている。
ピストンズには不運な面もあった。第4クォーター開始時点で14点のビハインドを背負っていたが、トバイアス・ハリスの3ポイントシュート3本成功を含む11得点で追い付き、残り47秒にケイド・カニングハムがファウルを受けて勝ち越しのフリースローを獲得する。だが、ここでフローターを放った際に空中でファウルを受けたカニングハムは腰からフロアに激突。フリースロー2本を決めたものの、オーバータイムにはプレーできなかった。残り47秒を守り切るべきだったが、ラメロのアタックを止められなかった。
延長に入った時点で、劣勢を跳ねのけたピストンズに流れはあったが、カニングハム抜きでこのチームは機能しない。ラメロ抜きのホーネッツにも同じことが言えるが、この試合のラスト5分ではブランドン・ミラーが存在感を見せた。アリウープを狙った相手のパスをスティールする素晴らしいディフェンスからギアを上げたミラーは、アグレッシブに攻めてオーバータイムに8得点を記録。粘るピストンズを振り切った。
ミラーは42分のプレーでキャリアハイの38得点を記録。日付が変わると22歳の誕生日を迎える彼は「キャリアハイのことは知らなかったよ」と笑う。「ラメロのファウルアウトはチームにとってはピンチだったけど、僕にとってはよりアグレッシブに行くチャンスだった。ただ全力を尽くして、ホームの観客の前で勝とうとしていた」
ラメロは「愚かなファウルをやってしまった。もっと賢くならなきゃいけない」と反省すると同時に「ブランドンがステップアップしてくれた。素晴らしい活躍だった」とミラーを称えている。
ピストンズの指揮官J.B.ビッカースタッフは「決してあきらめずに最後まで戦い抜いたのはウチらしかった。試合終了のブザーが鳴るまで全員が協力して戦い続けた」と選手たちの奮闘を称賛するも「安定感がもう少しないと勝てる試合も勝てない」と接戦を落としたことを嘆いた。