チームメートとの連携でチャンスを生み出すルーキー
ジョエル・エンビードとポール・ジョージが開幕から欠場を続け、復帰したと思えばタイリーク・マクシーが離脱とケガに泣かされているセブンティシクサーズは、2勝11敗でリーグ最下位に沈んでいます。あくまでも『ケガ』が原因と考えられていましたが、エンビードとジョージが揃っても3連敗を喫しており、苦しい戦いが続いています。
フィールドゴール成功率はマキシー40.6%、ジョージ39.6%、エンビード32.4%とオールスタープレーヤーたちが軒並みシュートが決まらず、チームの得点103.3、アシスト21.2はともにリーグ最下位と、チームとしても個人としてもオフェンスに問題を抱えています。
様々な選手を起用してベストな布陣を探しているものの、選手個人のパフォーマンスが安定しないこともあって解決の糸口が見付かりません。
そんな中で唯一の例外がルーキーのジャレッド・マケインの存在です。ケガ人が続いた中でチャンスを得たマケインは、直近6試合連続でプレータイムが30分を超え、そのうち5試合でチームのリーディングスコアラーになりました。それも個人技からの得点ではなく、チームメートとの連携でチャンスを生み出すため、マケインを中心にしたユニットで戦う時間帯も出てきました。
マケイン最大の武器は40%を超える3ポイントシュート成功率ですが、アテンプトの6割以上がワイドオープンのシチュエーションとなっており、ディフェンダーからフリーになるオフボールのポジショニングが強みです。それはボールをもらう前に状況判断ができていることでもあり、パスキャッチから次のプレーへ移行するのも早く、シンプルなプレースタイルがチーム全体にリズムを生み出しています。
身体能力を生かした突破や華麗なハンドリング、強靭なフィジカルによるゴール下の強さなど、分かりやすいアピールポイントがあるわけではありませんが、マケインはクレバーなプレーからの高い決定力で、気が付けばルーキーのトップスコアラーに浮上してきました。ボールを持たなくても自身の特徴を発揮できるタイプのため、スター揃いのシクサーズでも継続して活躍できそうなだけに、新人王の期待も膨らみます。
陽気なマケインは400万人近いフォロワーを持つインフルエンサーとしても有名で、上手く行かないことばかりの今のシクサーズには、プレーだけでなくキャラクターの面でも必要な存在となっています。