NBA5年目のタイ・ジェロームにブレイクの兆し
現地11日、キャバリアーズはアウェーでブルズと対戦。終盤までもつれる熱戦となったが、36得点を挙げたドノバン・ミッチェルを筆頭に、攻守においてここ一番の遂行力を見せたキャバリアーズが119-113で競り勝った。この勝利でキャバリアーズは、NBA史上8チーム目となる開幕12連勝を達成した。前回、12連勝スタートを切った2015-16シーズンのウォリアーズは、最終的に24まで連勝を伸ばしている。
チームの躍進を支えているミッチェルは、「歴史の一部になれたことは素晴らしいね」と語り、好調の秘訣を次のように考えていると明かした。「大差をつけて勝つこともあれば、逆転、接戦など、いろいろな方法で勝利を収めている。そして毎日、チームを牽引する選手は違っており、常にチームとして効果的なプレーができている」
ここまでキャバリアーズは、平均22.5得点のミッチェルと20.5得点のダリウス・ガーランドの2大エースが平均20得点以上を挙げた上で、ビッグマンのエバン・モーブリーが18.4得点、ジャレット・アレンが13.9得点とバランスよく得点を取れている。さらに特筆すべきはベンチの貢献度の高さで、キャリス・ルバート、タイ・ジェロームの2人がベンチスタートから平均2桁得点を挙げている。
30歳のルバートは、キャリア平均で14得点以上とNBAでも実績十分なスコアラーだが、良い意味で驚きを与えているのがジェロームだ。
27歳のジェロームはバージニア大学3年時に中心選手としてNCAAトーナメント優勝に導き、多くの注目を集める存在だった。しかし2019年にドラフト1巡指名でプロ生活をスタートして以降は、主力選手として活躍したことはない。昨シーズンはわずか2試合出場のみとNBAキャリア継続の危機に瀕していた。
それが今シーズンはここまで12試合すべてに出場し、平均16.5分出場で10.2得点、3.5アシスト、2.1リバウンド、1.5スティールを記録。さらにフィールドゴール60.8%と、効果的なプレーでチームに良い流れをもたらしている。ミッチェルが語る、日替わりでヒーローが出るキャバリアーズの層の厚さの象徴と言えるのが、ジェロームの飛躍だ。
ちなみに彼の年俸は、昨シーズンに結んだ2年総額500万ドル(約7億7000万円)と格安。まだ気が早いが、来夏の大型昇給は間違いないだろう。