トム・ホーバス

三屋会長「セカンドプランがなく、正直ドキドキしてた」

11月5日、日本バスケットボール協会(JBA)がトム・ホーバスヘッドコーチの継続記者会見を実施した。

登壇したJBA会長の三屋裕子は、まずホーバスヘッドコーチの再任の経緯をこのように説明した。「48年ぶりに自力でオリンピックに出場することができたこと。 最新の(FIBA)ランキングではトム・ホーバスが就任した時に35位だった日本の(FIBA)ランキングは21位まで上げることができました。それら様々な要因を評価し、あらためてホーバスヘッドコーチとして依頼をし、承諾をいただきました」

ホーバスヘッドコーチはJBAからの依頼を受けて熟考。オリンピックを一緒に戦った選手全員と会話をするなどコミュニケーションを取り、引き受けることを決断したという。三屋会長はすぐに返事をもらえなかったことで「ずっとドキドキしていました」と語った。

「正式なオファーをしてから時間があり、『バスケットの話はしたくない』と言われた時には今はそっとしておかなきゃいけないと思いながらもドキドキしていました。断られたらどうしようというのは常に頭の中にありました。強化部の方は考えていたと思いますけど、個人的にはパリが終わってもトムで行きたいとずっと思っていたので、セカンドプランを考えておらず、断られそうだったら直接会いに行こうと思っていました」

こうした三屋会長のラブコールを受け止めたホーバスヘッドコーチは、次のように意気込んだ。「3年前、女子からは男子のヘッドコーチになって、どんなチャレンジになるかと思ったんですけど、思ったより難しかったです。今回はいろいろと分かっているし、選手たちのエネルギーがあるんだったらいけるかなと思いました。今回はロスまでの4年間のチャレンジ。楽しみです」

大役を果たし、リフレッシュを経て、再び男子日本代表の指揮を執ることを決意したホーバスヘッドコーチ。11月21日には『FIBAアジアカップ2025予選Window2』が行われ、11月11日から合宿が実施されるが、23名の選手選考について、若手のプレーを見ることを重要視しつつ、教え役も含めた上での構成だったと明かした。

「これまでにあまり見ていない、合宿に呼んでいないメンバーを呼びたかったです。例えば西田(優大)選手はすごい好きですけど、彼のバスケットは分かっています。なので今までは呼んでいない若手が見たい。オリンピックメンバーが6、7人いたら、新しい選手がウチのバスケットを早くできるようになる。優勝した広島(ドラゴンフライズ)の中村(拓人)選手や山崎(稜)選手は呼びたかったけど、前はスケジュールが合わなかった。こういう考え方です」

メンバーが変わったとしても、勝負師のスタイルは不変で、どんな場合でも勝利にこだわる続ける。「今月の試合(Window2)も勝ちたいです。2年前のアジアカップは、イランとオーストラリアに負けた。ワールドカップ2023ではアジアの1位になりましたから、アジアカップは優勝したい。チームの強さを絶対にレベルアップしたい」

これからスタートする、ホーバス体制の第二章にあらためて期待だ。