20分の出場で3ポイントシュート7本成功を含む27得点
今オフ、クレイ・トンプソンが移籍を選択し、ウォリアーズに『王朝』を築いたスプラッシュ・ブラザーズは解散となった。ペース&スペースを体現してシュートタッチの良し悪しにかかわらず果敢に3ポイントシュートを打ち続けるクレイの代役は探しても見付からないものだと、誰もが決め付けていたようだ。
しかし開幕2試合で、バディ・ヒールドがその役割を完璧にこなしている。ベンチスタートながら第1クォーター途中にコートに入ると、その20秒後に放った最初の3ポイントシュートを沈めてリズムに乗った。6分半の出場で3ポイントシュート2本成功を含む8得点、ステフィン・カリーとゲイリー・ペイトン二世へのアシストを記録し、第1クォーターから32得点を挙げたウォリアーズのオフェンスを牽引。第2クォーターにはさらにリズムを上げて3ポイントシュート4本成功を含む16得点。チームの24得点の大半を稼ぎ出した。
絶好調のヒールドを前半に優先して起用したため、後半の出場は6分に留まったが、前半に体力を温存したカリーとブランディン・ポジェムスキーがそれぞれ13得点でオフェンスを引っ張り、最終スコア127-86と大差を付けての勝利となった。ヒールドは20分の出場で3ポイントシュート7本成功を含む27得点、4リバウンド6アシストを記録している。
トレイルブレイザーズとの開幕戦でも22得点を記録し、ウォリアーズの連勝スタートの立役者となっているヒールドは、試合後にこう語る。「シュートを打つ瞬間は最高のシュートを目指しているけど、あとは正しいプレーを選択することに務めている。みんなに支えてもらっているから、僕もチームの助けになりたい。良いプレーがしたければ、良い意図を持って試合に臨むことだ」
ヒールドの非凡なシュート能力は『隣』のサクラメントでプレーしていた時期からウォリアーズの誰もが認識していたが、スピードと運動量はうれしいサプライズだ。ヘッドコーチのスティーブ・カーは「3ポイントシュートを狙って全速力でコートを駆け上がるが、守備に戻る時も同じなんだ。攻守に意欲的に走ることでチームにリズムをもたらしてくれる」とヒールドの『走り』を称えた。
さらに、ウォリアーズのチームリーダーであるドレイモンド・グリーンは、陽気で社交的なヒールドがオフコートでもたらすポジティブな要素をこう称えている。「チームは今、素晴らしい雰囲気にある。その多くは彼のおかげだ。みんなを夕食に誘ったり、一緒に行動しようとする。表には出ない形でチームをまとめようとする姿勢は素晴らしいよ」
それは指揮官カーも認めるところだ。「ヒールドがいる時のベンチはいつも笑顔と喜びにあふれている。彼がチームにもたらすのはシュートだけじゃない」