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名前は出さずも、怒りの対象はディアンジェロ・ラッセル

NBAでは、緊迫した試合中、ハードファウルなどをきっかけにチーム同士の小競り合いが見られることも少なくない。

3月17日にステイプルズ・センターで行なわれたバックスvsレイカーズの第3クォーター終盤、レイアップを放ったニック・ヤングにバックスの新人であるマルコム・ブログドンがハードディフェンスを仕掛けた場面で小競り合いが発生した。

ブログドンの腕が喉元に入るような格好になり、これに怒ったヤングはブログドンを強く突き飛ばした。これにバックスのグレッグ・モンローが激昂。ヤングをさらに強く押しのけ、2年目のディアンジェロ・ラッセルも小競り合いの輪に加わりモンローを突き飛ばした。結果、この騒動によりヤング、モンロー、ラッセルに退場処分が科され、試合はバックスが107-103で勝利している。

試合後レイカーズ指揮官ルーク・ウォルトンは、チームメートを守るため加勢に加わったラッセルの行動を評価した。だが、ウォリアーズの『用心棒』ドレイモンド・グリーンからしてみれば、ラッセルの行動は『手ぬるい』以外の何ものでもなかった。

グリーンはラッセルを名指しで批判したわけではない。だが、『ESPN』リポーターのクリス・ヘインズが伝えたコメントを見る限り、その矛先が同選手に向けられているのは明らかだった。

ヘインズは「グリーンのコメント」として次のような文章をTwitterに投稿している。「実は、あることについてTweetしたかったんだけれど、パスワードを忘れてしまって。結果的にTweetしないことがベストだったとは思う。ある選手に腹が立ったんだ。俺からしたら、その選手は小競り合いの輪の中に加わろうとしていなかった。それにムカついたよ」

グリーンはチームメートに対する批判、試合中のハードファウルに対しては一切容赦しない性格の持ち主で、率先して矢面に立つタイプ。ケビン・デュラントのウォリアーズ移籍を批判したポール・ピアースにも食ってかかり、両者の間には因縁が生まれた。

もちろん、いかなるスポーツであれ、プレー以外の面で不要なアクションは起こすべきではない。行きすぎたファウル、審判の判定に関する批判を繰り返すグリーンも自身の行動を見直すべきだが、チームの主力として仲間を守る行動を取るべきだったと、ラッセルに伝えたかったのだろう。

そして早速グリーンは、自らの言葉を行動で示した。3月20日、『因縁』のサンダー戦の前半終了間際、ステフィン・カリーが発端となった小競り合いに素早く介入。何が原因で揉めているか分からなかっただろうが、とにかくすぐさま騒ぎの中心に飛び込み、カリーを守った。事の是非はさておき、これがグリーンの『作法』だ。