「ポストシーズンを健康に迎えるために必要なことは何でもやらないといけない」
セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、2022-23シーズンのMVPを筆頭に過去7年連続でオールスター選出中と、誰もが認めるリーグ屈指のビッグマンだ
一方で彼は耐久力のなさという大きな問題を抱えている。故障で全休に終わったプロ最初の2年間を含め、10年におよぶNBAキャリアでフル稼働を果たしたシーズンはなく、51試合以上出場したシーズンはわずか4度。出場率は68%に留まり、昨シーズンも39試合出場に終わった。
現在30歳のエンビードが、これまでの度重なる離脱というケガへの弱さを払拭し、ここから年間70試合以上の出場を続けることに期待するのは非現実だ。そしてそのことは彼自身が十分にわかっている。
『ESPN』のティム・ボンテンプス記者の取材に対し、エンビードは「おそらく、残りのキャリアでバック・トゥー・バック(連戦)でプレーすることはないだろう」と語り、エンビードと同じくキャリアを通して故障が多い新戦力ポール・ジョージも同じ方針になると見ている。
「僕たちは賢くならないといけない。その一部として僕に加えポールも、おそらく多くのバック・トゥー・バックで2戦続けてプレーすることはないだろうね」
このエンビードの考えは、プレーオフを少しでも万全の状態で臨むための対策として妥当なものだ。エンビードは「ポストシーズンを僕が健康で迎えるために必要なことは何でもやらないといけない」とも語っている。
昨シーズンに痛めた左ヒザの消耗を少しでも避ける意味も含め、エンビードはプレシーズンに1試合も出場することなくレギュラーシーズン開幕を迎える。エンビードを休めつつ、いかにレギュラーシーズンで勝ち星を積み重ねていけるかは、今年もセブンティシクサーズにとって乗り越えるべき大きな壁となる。