河村勇輝

チームも河村自身もリズムをつかめず

現地10月10日、グリズリーズはプレシーズンゲームの2試合目でホーネッツと対戦した。第2クォーターからじりじりと点差を離される展開で、ポイントガードの1番手であるジャ・モラントが欠場したためプレータイムの増加が見込まれた河村勇輝の出番はなかなか訪れない。結局、彼がコートに送り出されたのは3日前と同じ第4クォーター残り9分の場面だった。

しかし、マーベリックスを相手に5得点3アシスト、スタッツに表れないディフェンスやプレーメークでも素晴らしいプレーを連発した前回の再現とはいかなかった。最初のプレーで河村は、スクリーンを使うと見せかけて逆に動いてフリーになり、すぐさま3ポイントシュートを放つもこれを決められず。直後のディフェンスで1対1を狙われ、バスケット・カウントを献上することになった。

その後もポイントガードとして試合をコントロールしようとする意志は見られたが、個人のアピールに意識が向くチームメートを上手くまとめられず。波に乗れないグリズリーズはミスから相手の速攻を連続で許し、点差を広げられた。

中央に空いたスペースに鋭いカットで走り込み、パスを呼び込んでゴール下のシュートを狙うもブロックショットを浴び、リズムに乗れないまま放つシュートは2本がエアボールとなった。9分の出場でフィールドゴール4本を放って成功なし、無得点に終わっている。

それでも残り3分、人とボールが動く展開の中から個人技でのアタックを仕掛け、それに呼応したジェイレン・ウェルズの動きを見逃さずにパスを送ってイージーレイアップをアシスト。チームメートと噛み合わないシーンが目立つ中でも、良い動きを見逃さずパスを送る河村の視野の広さと判断力が彼らしいアシストに繋がった。

期待したようなアピールはできなかったが、良いプレーばかりができるわけではない。グリズリーズのプレシーズンはあと3試合。ここで河村がミスから学び、プレーを修正する能力を発揮することに期待したい。