京都ハンナリーズ

文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

サイモンのプレーがチームの出来に直結

水曜ナイトゲーム、京都ハンナリーズは滋賀レイクスターズをホームに迎えた。京都としては前節、右手が使えない状態で強行出場したデイヴィッド・サイモンの状態が気掛かりだったが、この試合も先発出場。彼のパフォーマンスがチームの出来を左右することになった。

立ち上がり、サイモンはシュートタッチが悪くてリズムに乗れず、ガニ・ラワルにスピードでもパワーでも圧倒されて、滋賀に先行を許す要因となってしまった。それでも絶好調でダンクを連発するラワルが、エネルギッシュな動きが裏目に出て早々に個人ファウル2つでベンチへ退くと、プレッシャーが弱まったことでサイモンが気持ち良くシュートを打てるようになり、次第に本来の調子を取り戻す。大黒柱の復調に合わせて動きが良くなった京都がリードを奪った。

ただ、滋賀もB1残留にチーム一丸となっており、運動量とボールへの執着心、そしてトランジションでは京都より上。ヘンリー・ウォーカーかボールをプッシュし、アップテンポなバスケで京都を苦しめる。高橋耕陽から中村功平へと繋ぐ電光石火のファストブレイクが決まり、40-39と逆転に成功して前半を折り返した。

後半も一進一退の攻防が続く。第3クォーターの残り5分半で滋賀のダイナミズムを牽引するラワルが個人4つ目のファウルでベンチに下がると、岡田優介の3ポイントシュート、サイモンのゴール下、サイモンがディフェンスを引き付けて内海慎吾の3ポイントシュートをアシストと、一気にたたみかける。

京都ハンナリーズ

奮闘した滋賀だが、必要なのは内容よりも結果

滋賀は二ノ宮康平のゲームメークからバランスの良い攻めを展開。守備ではファウルトラブルのラワルがサイモンのシュートを豪快にブロックするなど奮闘を続ける。後半は終始ビハインドを背負いながらも粘り続けたが、第4クォーター残り1分22秒にラワルがついにファウルアウト。残り23秒にサイモンのダンクで87-79とし、粘りに粘る滋賀をようやく振り切った。

サイモンは32得点12リバウンドと堂々の働き。苦しんだ時間帯も含めて落ち着いてプレーしており、8つのファウルを誘発したことが、最後の最後で滋賀の奮闘を断ち切ることになった。連敗を3で止めたところでサイモンがケガ、チャンピオンシップ進出を巡り厳しい状況となっていただけに、この1勝は大きい。「先を見ないで一つひとつ丁寧に、集中して戦おうと話しました」と浜口炎ヘッドコーチは試合後に語った。選手層が決して厚くない上にケガ人が重なり、水曜ゲームが3週間続く過密日程をどう乗り切るか。京都はまさに正念場を迎えている。

一方の滋賀は、絶好調のラワルが序盤からファウル先行となったのが痛かった。それでも若きエース高橋を中心に、京都に一歩も引けを取らない戦いができている。ただ、必要なのは内容よりも結果。今週末のライジングゼファーフクオカとの連戦は、連勝が絶対条件となる。