「もう明日の試合が楽しみでしょうがない」
千葉ジェッツは『りそなBリーグ』開幕戦で宇都宮ブレックスと対戦。第1クォーターを26-7と圧倒したが、ゲームハイの35得点を許したD.J・ニュービルを止められず延長戦に持ち込まれた。それでも、総合力で上回りオーバータイムを14-7とし、最終スコア91-84で勝利した。
この試合がBリーグデビュー戦となった千葉Jの渡邊雄太は、富樫勇樹の39分10秒に次ぐ39分3秒のプレータイムで16得点8リバウンド1アシスト1ターンオーバー、1スティールを記録。NBAでプレータイム確保の戦いを長年続けてきた渡邊にとって、コートに立ち続けることは一番の喜びだった。いきなり40分弱のフル稼働となったが「試合が終わったばかりですけど、もう明日の試合が楽しみでしょうがない」と言う。
ただ、自身のスタッツについては決して満足していない「試合自体はハイレベルな戦いができたんじゃないかと思っているんですけど、前半にリードした時にプレーの精度を欠いたと思っていますし、個人的には後半に疲れが出ました。長いシーズンですし、そういう部分は反省して次に繋げられるようにしていきたいです」
代表メンバーとして日本でプレーすることはあっても、主戦場がアメリカだった渡邊にとって、日本のバスケ界の景色は大学に渡米した時から止まっている。自身のデビュー戦を『ららアリーナ東京ベイ』という素晴らしい場所で行ったことで、あらためてバスケの熱量を感じた。
「11年前、自分が日本にいた時はこういうアリーナができることだったり、こういうアリーナにこれだけのお客さんが入ることが、なかなか想像できなかったです。日本代表などで帰ってきて、日本のバスケの熱が上がってきているというのは感じていたんですけど、こういうアリーナで素晴らしいお客さんたちの前でプレーできたことは本当に光栄だなって思っています」
11年前との違いは観客の質にも表れている。Bリーグ以前は観客動員数は少なく、特に推しチームをアウェーの会場まで応援しに行く人は稀だった。だからこそ渡邊は会場が赤く染まる中に黄色のエリアがあることを驚いたという。「試合前のアップの時、宇都宮のファンの多さにも驚きました。チームメートに『あんなに宇都宮からファン来るんやね』って話したら、『なんなら少ないぐらい』って言っていたので、すごいなと思いました」
心身ともに極限まで自分を追い込みNBAでのチャレンジを続けてきた渡邊は、バスケを純粋に『楽しむ』ために日本に戻ってきた。終始笑顔だったことからも、第2章のスタートが素晴らしいモノだったことがうかがえる。