八村塁

ブロニー・ジェームズは3ブロック、守備で存在感

レイカーズは初めてのプレシーズンゲームでティンバーウルブズと対戦した。レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの2枚看板は出場せずにコートサイドから試合を見守ったが、ディアンジェロ・ラッセル、オースティン・リーブス、八村塁といった他の主力はスタメンに名を連ね、ベンチからはブロニー・ジェームズも出場した。

ベンチから多くの若手が出場する中で、ブロニーは16分のプレータイムを得た。指揮官JJ・レディックによれば、これは日々の練習で積み重ねた信頼の表れ。得点はラスト1分のレイアップによる2点のみと寂しい数字だったが、『レブロンの息子』ではなく2巡目指名のルーキーと考えれば現時点では良くやっている。「このサイズでは良いディフェンスができている」というのがレディックの評価。「オフェンスではまだ自分に何ができるかを模索しているところで、それを助けるのは我々の仕事でもある。素晴らしい人間性とエネルギーを持つ彼のことを応援している」と指揮官は言う。

実際、ディフェンスでブロニーは即戦力のプレーを見せている。身長188cmと小柄だが簡単に当たり負けせず、クイックネスを生かして粘り強く相手のやりたいプレーを潰していく。そして『父親譲り』のチェイスダウンブロックも見せた。速攻で走るニキール・アレクサンダー・ウォーカーを追いかけ、唯一ディフェンスに残ったラッセルをかわすために相手がスピードを落とすのを予測し、背後からのブロックを決めている。ブロニーはこの試合で3ブロックを記録。簡単に揺さぶられず、最後まで相手を追いかける能力が生み出したスタッツだ。

そしてブロニーが記録した唯一のアシストは、八村へのもの。素早くボールを動かして相手ディフェンスが自分に寄るのを見逃さず、オープンとなった八村へとパスを出して3ポイントシュートを決めた。これが八村にとってNBA7シーズン目の最初の得点となった。

試合には107-124で敗れた。スタメンを10分間しか起用しなかったウルブズに負けたのは心地良い結果ではないが、内容はレイカーズにとって悪いものではなかった。3年目のマックス・クリスティーはオフでの成長をコート上で示し、ルーキーのダルトン・コネクトもローテ入りに値するプレーを見せた。

そして何より、メンバーが固定できていないこの時期からディアンジェロ・ラッセルのピック&ロールを起点に他の選手が連動し、オフボールの動きの質も量も昨シーズンより向上している。レディックの志向するスタイルが最初の実戦から多少なりともプレーに反映されているのは、良いスタートと言っていいだろう。

八村は22分のプレーで9得点6リバウンド2アシスト。第3クォーター途中までしかプレーせずに本領発揮とはいかなかったが、コンディションは上々の様子。開幕に向けて調子を上げていくはずだ。