アンソニー・エドワーズ

「僕らはどちらがNo.1で、という関係じゃなかった」

ティンバーウルブズが2024-25シーズンに向けて始動した。昨シーズンにカンファレンスファイナルに進出したチームはまだ若く、次のステップアップに向けて意気揚々とスタートを切るはずが、雰囲気はいつも通りとはいかなかった。常にこのチームの中心にいたリーダー、カール・アンソニー・タウンズがいないからだ。

サラリーキャップに余裕のないウルブズがタウンズを放出せざるを得ないという予想はあった。それでもオフの終盤まで何事も起きず、このまま継続路線でチームは進むものかと思われたが、最後の最後で大型トレードが待っていた。タウンズはニックスへ。いつもチームの中心にいた太陽のような存在が、突如としていなくなった。

アンソニー・エドワーズは「みんなが知っている通り、KAT(タウンズ)は僕の兄貴だからトレードを知った時は傷付いた。でも、それがNBAのビジネスなら従うしかない」と語る。

「正直、トレードが決まったばかりで彼がいないことについて話すのは変な感じだ。僕らは決してどちらがNo.1で、どちらが2番手かという関係じゃなかった。お互いがお互いを引き立て合っていたと思ってる。僕はどんな役割であっても彼が望むなら喜んで演じるつもりだった。僕たちはいつでも一緒だった。だからつらいんだ」

しかし、悲しんでばかりはいられないのも理解している。これはまさしく『NBAのビジネス』なのだから。昨シーズン、タウンズが戦線離脱している間にエドワーズはチームを引っ張った。プレーの面はもちろん、リーダーシップも発揮して『勝てるチームのエース』へと成長を遂げた。

タウンズがトレードされた今、彼は今まで以上にリーダーシップを発揮しなければならないと自分を奮い立たせている。「僕はもうこのチームでは在籍が長い。ナズ(リード)の次かな。だから新たに加入する選手が快適に過ごせるようにするのも僕の仕事になる」

まだトレードが正式に発表されたわけではないが、タウンズに代わって加入するのはジュリアス・ランドルとドンテ・ディビンチェンゾの2人。エドワーズは「彼らのことを早く理解したいと思っている。僕たちは元の場所に戻り、さらに遠くまで行くつもりだからね」と言う。「前のチームでやっていたのと同じことをやればいい。ただ勝ちたいだけなんだ。僕らがやろうとしているバスケに合わせるのはそう難しくないと思う」