リーダーシップの取り方に大きな影響を与えた橋本竜馬の存在
――リーダーシップは須田選手がかなり意識されている部分ですが、学生の頃から自分はリーダータイプだと思っていましたか。
元々そういうことをできる選手だと思っていましたし、高校までずっとキャプテンをやっていました。でも、東海大はトップレベルの選手が集まる大学で、やっぱりキャプテンとかリーダーは実力もある程度は伴ってないといけないと痛感させられるすごく大変な世界でした。大学からしばらく離れていましたけど、ドルフィンズに加入した時、リーダーとしてやってほしいと言ってもらい、再びリーダーとしてやっていこうと。
でも自分はチームの圧倒的なエースではないですし、引っ張っていくやり方が分かっていない状況が続いていました。それが2年前のシーズンでケガ人がたくさん出て、自分がより前面に出てチームを一つにまとめざるを得ない状況になりました。そこで逆転の発想で、自分が今まで誰にリーダーシップを感じたか、この人はいいなって思う人は誰だろうと考えました。最終的には今シーズンから越谷(アルファーズ)の橋本竜馬さんが、自分の目指すべきリーダーだと強烈に感じました。
竜馬さんは試合で何十点も取るとか、何か圧倒的なスタッツを残すわけではないです。でもなぜか隣にいてくれるだけで安心しますし、リーダーといえば橋本竜馬だ、と多くの人が感じています。それはなんでだろうと思った時、感情を表に出してチームの雰囲気を高めていける。ディフェンスで、相手のチャージングを取ると一気に感情を爆発させてチーム全体も一気に盛り上がる。僕も竜馬さんのそういう部分に惹かれていました。僕もどちからというと感情を表に出して自分のスイッチを入れるタイプで、自分にも真似ができるかなと思ってやったら感触が良くて、やり続けて今に至っています。
――橋本選手と一緒にプレーしたのは、2018-19シーズンの1年間ですが、それでも強烈な影響を受けたということですね。
そうですね。琉球ではいろいろなお話しをさせていただきました。それに竜馬さんが(琉球加入前の)三河に所属されていた時から、『闘将・橋本竜馬』のイメージはありました。だから、竜馬さんの真似をしてみようと思った時から、試合直前や試合当日の移動中に竜馬さんが雄叫びを上げている場面のSNSのクリップを見たりして、自分を奮い立たせて会場に向かっていました。最初は真似から入りましたけど、自分の良さも入れていって、その幅を広げるために今回三河に来ました。自分なりのリーダー像を、もっと大きく作り上げていきたい思いです。
「誰1人欠けることなくチームの舵を取っていく」
――三河ではリーダーであり、中心選手としての役割を求められています。それこそ大学時代は同級生に田中大貴選手、1つ下にザック・バランスキー選手、2つ下にベンドラメ礼生選手などタレント揃いで、出番に恵まれませんでした。その中でも当時からプロではチームの顔になりたいみたいな野心は持っていましたか。
名脇役になりたいと思っていました。大学卒業後、栃木(現・宇都宮ブレックス)に入った時、竹田謙(現在は青山学院大のヘッドコーチ)さんがいて、少し一緒にプレーさせてもらいました。そこで当時の栃木における竹田さんのような役割がこなせる選手になりたいなと。大学時代、自分の上の学年、下の学年にもトップレベルの選手がいることは分かっていて、プロでは本当にすごい選手ばかりです。その中で、自分が生き残っていくには、どのチームにも求められる名脇役として一家に一台欲しい、みたいな存在でいたい。佐々(宜央)コーチとか安齋(竜三)コーチとかに面倒を見てもらったりする中で、自分はこういう役割でプロで長く現役を続けたいという思いで積み上げてきました。それがトム(ホーバス)さんと出会って変わっていった感じです。それまでは、自分がファーストオプションとして関わるイメージがあったかと言えば、なかったですね。
――シーズンは長くずっと順調で行く訳はなく、山あり谷ありだと思います。良い時も悪い時もリーダーとして、ここはブラさないでやりたいと意識している部分はありますか。
良くない時にどうするのか、それがリーダーの力量が問われるところです。やっぱり負けが込んだら雰囲気が悪くなると思いますが、そういう時にこそ先頭を切ってやるべきことをやり続けたいです。苦しんでいるチームメートがいたらしっかりと手を差し伸べて引っ張り上げていく。誰1人欠けることなくチームの舵を取っていくイメージです。そして、チーム内だけでなく、三河のファンの皆さんも巻き込んで、より戦う集団になっていく。そういう振る舞いができたら自分の成長にも繋がりますし、それをやりたいと三河に来ています。
――最後、三河ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
自分の良さは3ポイントシュートでチームを勝利に導くことであり、リーダーとして先頭を切って、三河を熱くしていきたいです。闘志を前面に出す姿を見せることで、勝ち負け以外のところでファンの皆さんに感じてもらえるモノがあると思っています。心が動く瞬間を届けられるように毎試合プレーしていきます。そういう試合を積み重ねて勝ち取った優勝は本当に特別なモノになります。何よりもファンの皆さんも含めた、シーホース三河として戦っていきたいです。
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