古傷の右膝を4月に痛め、オリンピックにも参加できず
クリッパーズは間もなくトレーニングキャンプを開始する。エースのカワイ・レナードはそこに参加するが、オフに右膝を手術したことで活動が制限される。ローレンス・フランク球団社長によれば、手術は予防的な意味も含めた軽度のもので、本人はすべての練習メニューをこなそうとしているが、クラブ側はチェックを重ねながら段階的にコンディションを上げていく方針だという。
レナードのキャリアはずっと膝の問題に悩まされている。2019年オフにクリッパーズに来た時点で彼は右膝半月板の手術を受けていた。2020-21シーズンのプレーオフで右膝前十字靭帯を部分断裂の大ケガを負い、2021-22シーズンを全休。その後の2シーズンも出場時間を慎重に管理してきたが、昨シーズンはレギュラーシーズン終盤に右膝が腫れてしまい、プレーオフで強引に復帰するも本調子には程遠く、2試合に出場しただけで再び戦線離脱。チームはマーベリックスにファーストラウンドで敗れている。
その後、パリオリンピックを見据えたアメリカ代表のトレーニングキャンプに参加したが、すぐに離脱。そして今回の手術に踏み切った。フランク球団社長は「目標はカワイを100%の状態にし、今シーズンだけでなく今後の数シーズンを素晴らしいものにすること」と話す。カワイの活動が制限されるのはトレーニングキャンプ序盤だけで、開幕には間に合うというが、ファンの受け止め方は「またか」だろう。
昨シーズンは4月に入るまでカワイのパフォーマンスは非常に良かった。レギュラーシーズン68試合出場はまだケガの連鎖が始まる前のスパーズ時代に続く多さで、バック・トゥ・バック(2日連続の試合)も難なくこなし、ついに完全な健康状態を取り戻したと判断したクリッパーズは3年1億5240万ドル(約230億円)の契約延長を彼と結んでいる。しかし、彼は再びケガの連鎖に飲み込まれてしまった。
これまでのケガの経歴、そして33歳という年齢を考えると、カワイがコンディションの不安を抱えずシーズンを通してフル回転するとの見込みは楽観的すぎる。クリッパーズにとっては『通常運転』だが、新シーズンもカワイのコンディションを慎重に見極めながら出場時間を管理することになるだろう。
フランク球団社長は「カワイの膝が万全でないのは残念だが、我々は長い時間をかけて何が効果があるかを学んできた。確実に正しい方向に向かっている」と強調するが、それこそ楽観的すぎる言葉だ。ポール・ジョージが去った今、カワイは今まで以上にオフェンスの中心を担わなければならない。35歳のジェームズ・ハーデンもケガが増えており、カワイの活動が制限される分の負荷を誰が担うかは難しい問題で、チームには大きな影響が出るだろう。