開幕カードでの連敗を例外とすれば、順調に勝ち星を重ねている川崎ブレイブサンダース。リーグ最高勝率のチームはリーグで最も「順調」に見えるが、それでも常勝を義務付けられたチームを率いるヘッドコーチには重圧がのしかかっているはずだ。
長いシーズンを戦い抜くには、オンとオフの切り替えも重要となる。今回はコートから離れたことについても話を聞いてみた。まずヘッドコーチはシーズン中、どういうサイクルで一週間を過ごしているのだろうか。
「まずは疲労を取ることを一番に考えています」
「1週間ほぼ休みなしです。土日に試合があり、月曜日は朝から次の対戦相手のスカウティング。火曜は朝イチでスタッフが集まってミーティングを行い、土日の反省、次の対戦への取り組みを話し、そのあとにコーチミーティングを行います。そして午後から練習です。水曜日は対戦チームのビデオを選手たちに見せ、その後に練習。木曜と金曜は朝からチーム練習を行い、アウェーゲームの場合は移動も入ってきます」
「水曜日に試合が組まれている場合だと、ほぼ練習はできません。映像を見せて、相手の強み、弱点とポイントだけを伝えるだけ。いくつも教えても覚えられませんから。むしろコンディショニングが重要なので、まずは疲労を取ることを一番に考えています」
コンディショニングの維持については選手とよく話し、時には練習のストップをかけることもあるようだ。「ウチの選手は真面目なので、練習をやるなといってもやってしまう。疲れの溜まっている選手はコントロールします。例えば代表に選ばれた選手が戻って来て、『どうする?』と聞くと『やります』と言うので、こちらから休むよう提案することもあります」
北ヘッドコーチ自身にオフはあるのだろうか。「今は代表ウィーク期間中に少し休めます。また、金曜と土曜に試合がある時は、日曜日が少しゆっくりできる。オンとオフの切り替えも重要なので、日曜に他のチームの試合を必ず見るということはしないです。子供と遊ぶ時間も取るなど、臨機応変にやっています」
熱愛発覚には「騒がないでほしいという感じでした(笑)」
ちなみに家族サービスといえば、北ヘッドコーチの奥さんはキャスターとしてテレビによく出演されていた方だ。最近、アルバルク東京の田中大貴の交際報道が大きな話題となったが、北の時はどうだったのだろうか。
「注目されてびっくりしましたよ。テレビを見たらいきなり取り上げられていて『えっ!?』という感じでした」と笑う。「田中選手も大変でしょうが、報道されてからもかなり活躍しているので、良いモチベーションになっているのではと思いますね。僕の場合は、あまり騒がないでほしい、この話題に触れないでほしい、という感じでしたけど(笑)」
最後にこれからのシーズン終盤戦について抱負を聞くと、力強い言葉が返ってきた。「今は我慢の時期という言葉が合っていると思います。よりレベルアップするための期間と見ています。野本の4番(パワーフォワード)起用などバリエーションが増えてきています。プレーオフは一発勝負、短期決戦なので、その中でいろいろなバリエーションがあれば、様々な状況に瞬時に対応しやすくなると思います」
故障者の内、辻直人は待望の復帰を果たし、これから試合を重ねる中でコンディションを上げていくものと思われる。これからシーズン終盤、そしてチャンピオンシップに向けて、川崎がどんな進化を遂げていくのか。北ヘッドコーチの采配により注目していきたい。