写真=Getty Images

サリッチはルーキーとして2位の平均12.2得点を記録

2016-17シーズンの新人王候補最有力は、セブンティシクサーズのジョエル・エンビードだった。しかし、エンビードは左ひざ半月板の損傷により今シーズン残り試合を全休することが発表され、新人王レースからは脱落。

エンビードを上回るだけのインパクトを残しているルーキーがいない状況となっているが、そのエンビードはチームメートのダリオ・サリッチを新人王候補に推している。

サリッチは3月12日のレイカーズ戦でキャリアハイの29得点を記録し、118-116の勝利に貢献した。試合後にインタビューを受けていると、私服姿のエンビードが乱入。「新人王はこの選手だ、彼が新人王だ!」と一方的にまくし立てて去っていった。

2014年のドラフト全体12位でマジックから指名されたサリッチだが、NBA挑戦を前にトルコリーグで経験を積むことを選択し、昨夏にシクサーズに入団した。ルーキーイヤーとなる今シーズンは開幕時期からコンスタントに出場機会を与えられ、1月以降は平均得点で2桁をマーク。現在はエンビード(20.2)に次いで新人2位の平均12.2得点にまでスタッツを伸ばしている。

実際のところ、現在もなおエンビードを新人王候補に推す声は多い。平均25.4分の出場で20.2得点、7.8リバウンド、2.5ブロック、2.1アシストと驚異的なスタッツを叩き出しているが、出場は31試合のみ。プレータイムもトータルで800分に達していないため、年間を通して最も活躍したルーキーに与えれる新人王としては不適当と言わざるを得ない。

それでも、本来なら「オレが新人王だ」と宣言しても不思議ではないのに仲間を後押しできるのは、シクサーズの雰囲気が良い証でもある。投票権を持つアメリカ国内のメディア関係者次第だが、今シーズンの新人王はシクサーズから誕生する可能性が高そうだ。