日本代表4チームのオリンピック出場が決定「出場すること自体がゴールではない」

2019/03/31
日本代表
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東野智弥

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

東野技術委員長「オリンピックまであと481日」

3月30日の深夜、コートジボワールで行われたFIBAセントラルボードから朗報が届いた。2020年の東京オリンピックにおいて日本代表に開催国枠を与えるかどうかの決議の結果、5人制男女、3人制(3x3)男女のすべてで開催国枠が適用されることとなり、オリンピック出場が決まった。

JBAの技術委員長を務める東野智弥は、次のようなコメントを発表している。

「5人制男子はモントリオール大会から44年ぶり、女子は前回のリオ大会に続き2大会連続の出場となります。3人制は東京大会からの新種目ですから、当然男女ともに初出場となりますが、自国で行われる新種目に男女揃って出場できることが決まったことに安堵しています」

「これで目標の一つはクリアしましたが、出場すること自体がゴールではありません。世界の舞台で世界を相手に戦い、世界を驚かせるようなプレーを見せる――オリンピックまであと481日 です。残された時間は限られていますので、今後より一層、各カテゴリーのチームスタッフ、選手たちとともにチーム強化に努めていきたいと思います」

「このオリンピック出場権獲得を機に、日本のバスケットボール界発展のために、ますます頑張っていきます。ファンの皆様も、ぜひバスケットボール日本代表チームに大きなご声援をいただきますとともに、その活躍にご期待ください。『日本一丸』で戦いましょう。今後ともよろしくお願いします」

男子日本代表

「徹底的に改革して、世界をあっと言わせたい」

東野が強化委員会の委員長に就任したのは2016年5月。リオ五輪の直前ではあったが、見据えたのは自国開催である東京オリンピックへの出場である。開催国枠の適用は未定であり、「開催国であっても五輪に相応しい実力が認められるかどうか」が問われた。その実力を認めさせるために、東野は『世界基準』をキーワードに掲げ、「チェンジにチャレンジ」と自らを鼓舞した。

特に男子バスケにおいては、Bリーグがスタートして環境が激変する時期。東野も日本代表が変革するための手を次々に打っていった。

長谷川健志を任期途中で退任させて、ルカ・パヴィチェヴィッチにチーム作りを託し、アルゼンチンの名将フリオ・ラマスを迎え入れた。Bリーグの最中にも代表合宿を繰り返し、その一方で海外でプレーする選手のチェックも怠らなかった。ニック・ファジーカスが日本国籍取得とともに代表入りを決めたこと、ワールドカップ予選に渡邊雄太と八村塁の参戦を実現させたことが、日本代表の強化に決定的なプラスとなったのは言うまでもない。

ワールドカップ予選が始まる前の時点で、東野委員長は日本代表強化に向けた覚悟をこう語っている。「何かを変えれば快く思わない人はいます。でも、男子については40年やってきてオリンピックに出られなかった。その延長線上でうまく行く可能性はまずありませんよね。誰かが思い切って変えなきゃいけない。成功するかどうか、それは私にも分かりません。これで失敗したら散々に叩かれて、バスケ界にいられないかもしれない。でも、こんなにやり甲斐のある仕事が他にありますか? やるからには徹底的に改革して、良い意味で世界をあっと言わせたい」

東野委員長の信念と取り組みは、昨夜の朗報に繋がった。それでも「出場すること自体がゴールではありません」は真理でもある。東京オリンピックで世界を相手に手も足も出ずに惨敗する可能性は存在するし、2020年の先にも目標とすべき大会はある。日本代表の変革はまだまだ続く。