前半のみの出場で8得点4リバウンド、要所で格の違いをしっかりと見せる
千葉ジェッツは9月16日、ホームで韓国KBLのソウルSKナイツとプレシーズンゲームを実施。トランジションから効果的に3ポイントシュートを決め、クリストファー・スミスと金近廉らの活躍によりベンチポイントで41得点を挙げるなど、選手層の厚さを見せて95-82で勝利した。
NBAでの6シーズンを経て今シーズンから千葉Jに加入した渡邊雄太は、前半のみの15分3秒出場で8得点4リバウンドを記録。まだコンディションを上げている段階の中でも、攻守に渡って要所で格の違いを見せるプレーを披露していた。
リバウンドを取って自らのボールプッシュから連続でレイアップを決め、原修太のイージーシュートを作り出した場面は特に印象的だった。それはサイズ、機動力、ボールハンドリングを備えた渡邉の持ち味が凝縮されたプレーであり、千葉Jの指向する高速バスケットボールのギアを一気に上げるトリガーとなった。
この一連のプレーについて渡邊は「ああいう速い展開からのプレーは僕が得意としていることです」と語り、これからもどんどん生み出していきたいという。「相手のミスからだったり、タフショットを打たせて良いリバウンドを取れれば、ディフェンスから自分たちのオフェンスに繋ぎやすくなります。コーチもファストブレイクはどんどん出していこう、確率を上げていこうと日頃から言っています。ああいう形で簡単に得点を取れれば、今日みたいに相手がフィジカルに来ていても自分たちのリズムに持っていけると思うので、増やしていきたいです」
この点については、トレヴァー・グリーソンヘッドコーチも同じ考えだ。試合後、自分たちのやりたいバスケを見せることができた場面についてこう語る。「ディフェンスのタフネスが、自分たちの基盤となります。例えば前半の、(渡邊)雄太のスピードに乗ったプッシュは効果的だと思います。良いディフェンスから走ることを千葉ジェッツのスタイルにしていきたいです」
来週の天皇杯の会場は高校3年のウインターカップの舞台
渡邊は6月上旬に左ふくらはぎの肉離れを負った中でもパリオリンピックでフル稼働した。その影響もあって、現在もコンディション調整の最中であり、前日のサンロッカーズ渋谷戦と2試合続けて前半のみのプレーにとどめている。
あくまでBリーグのシーズン開幕戦となる10月5日に照準を合わせていく中、渡邊はここまでの過程をこう語る。「オリンピックが終わってからしばらく休みをとっていて、なるべく激しい動きをせずに、身体を休めることを優先していました。8月22日に合流しましたが、最初の方は練習も半分くらいの参加でした。今でも少し制限をかけながらやっていて昨日、今日と前半のみの出場でした。10月5日の開幕に100%を持っていくのが僕とチームの認識です」
次の実戦の舞台となるのは21日から始まる天皇杯2次ラウンドだ。渡邊にとってはキャリア初の天皇杯となり、「正直、今まで出たことはなく思い入れはないので特別視はしていないです」と明かすが、戦いの舞台には特別な思いがある。「ただ、会場は広島グリーンアリーナと聞いています。高校3年生の時のウインターカップは、本来の会場である東京体育館が耐震工事で使えなくて、グリーンアリーナでやったという思い出があります。あの時から成長して戻って、プレーできることをすごく楽しみにしています」
シーズン開幕を万全な状態で迎えるべく渡邊は順調なプロセスを踏んでいる。そして来週、思い出の会場で、さらに調子を上げた姿を見せてくれるはずだ。
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