ステフィン・カリー&レブロン・ジェームズ&ケビン・デュラント

ジョーダンやコービーが届かなかった域へ達する

レブロン・ジェームズはこれまで21年のNBAキャリアで4億8000万ドル(約720億円)の年俸を受け取っている。今オフにはレイカーズと2年1億400万ドル(約160億円)で契約を更新。その1年目となる今シーズンの年俸は4870万ドル(約73億円)で、これでNBAプレーヤーとして初めて年俸の累計が『5億ドル』に達することになった。

ケビン・デュラントの昨シーズンまでの年俸累計は4億ドル(約600億円)で、4年契約をあと2年残しており、その2年間で1億5000万ドル(約230億円)を受け取る。不慮のアクシデントで引退に追い込まれたりでもしなければ、デュラントは2025-26シーズン中に『5億ドル』を得ることが決まっている。

ステフィン・カリーは8月末にウォリアーズとの契約更新を発表したカリーは、これまでの年俸累計3億5000万ドル(525億円)に今後の3シーズンで1億7800万ドル(約270億円)を上積みすることで、この『5億ドル』グループに3人目のメンバーとして加わることになった。

時を重ねるごとにNBAの経済は拡大しており、特にこの10年の伸びはすさまじいものがある。マイケル・ジョーダンはキャリアを通じて9400万ドル(約140億円)しか年俸を得ていない(その代わりにスポンサー収入で誰よりも稼いでいる)。コービー・ブライアントの生涯年俸は3億2000万ドル(約480億円)で、最も大きな契約でも3年8350万ドル(約130億円)に過ぎなかった。GOAT(歴代最高の選手)が誰であるかの議論はさておき、レブロン、デュラント、カリーの世代がサラリーでは過去のレジェンドを圧倒しているのは間違いない。

しかし『5億ドル』グループの3人も、拡大し続けるNBA経済圏のメリットを最大限に享受できたわけではない。その後に続く世代はもっと恵まれている。ジェイレン・ブラウンは過去8年の年俸が1億3000万ドル(約200億円)だったが、今シーズンから始まるスーパーマックス契約は5年3億400万ドル(約410億円)で、NBAで初めて3億ドルを超える契約となる。この契約が満了を迎える32歳まで第一線で戦うコンディションを維持できていれば、その時点で彼は『5億ドル』グループに加わることになる。

そのブラウンを1年遅れで追い掛けるジェイソン・テイタムは今シーズンが契約最終年で、そこまでの累計年俸が1億2000万ドル(約180億円)。すでに2025年から始まる5年3億1000万ドル(約470億円)の契約を締結しており、彼は31歳までに4億3000万ドル(約650億円)を稼ぎ、その次の契約で『5億ドル』グループの仲間入りとなる。

彼らより上の世代で『5億ドル』グループに先に達するのはポール・ジョージだ。フリーエージェントに厳しかった今夏に、34歳ながらマックス契約を勝ち取った彼は、これからセブンティシクサーズで4年2億1000万ドル(約320億円)を稼ぎ出す。その4年目、37歳で彼は『5億ドル』グループに加わる。

一方で、クリス・ポールはこれまでに3億9000万ドル(約590億円)を稼いだが、ロケッツ時代の4年1億6000万ドル(約240億円)が彼が得た最大の契約で、今夏は大幅な年俸ダウンを受け入れてスパーズに移籍した。これで彼の生涯年俸は辛うじて4億ドルに達する。ジェームズ・ハーデンもクリッパーズとの2年7000万ドル(約110億円)の契約を全うする2025-26シーズンに生涯年俸が4億ドルを超えるが、5億ドルに到達できるかは微妙なところだ。

今後の若い世代にも、すでにスーパースターになることが決まっているタレントがいる。つまりルカ・ドンチッチとシェイ・ギルジャス・アレクサンダー、アンソニー・エドワーズ、ビクター・ウェンバニャマといった選手たちは、順調にキャリアを重ねていけば『5億ドル』を軽々と超えてその先に進んでいくことだろう。